この聖火リレーは、フィクションではなく、奥茨城村のモデルとなった旧・里美村(現・常陸太田市)で1964年に行われた出来事が下敷きになっている。そのリレーで第1走者を務めたのは、昭和19年生まれの荷見(はすみ)誠さん(72才)だ。『ひよっこ』の15話のエンディングでは、荷見さんがトーチを持っている写真も放送された。荷見さんが語る。
「聖火ランナーは15人くらいだったかな。私も、そのころは青年団に所属していて、立候補ではなくランナーに選ばれたんです。小学校では往復8kmの道のりを徒歩で通学していましたし、中学では往復30kmを自転車と徒歩で通学していましたから、足腰に自信があったんです」
ドラマでは青年団がこの聖火リレーに反対しているシーンもあったが、実際には誰もがこの催しに対して歓迎ムードだったという。
「村長の提案で始まったことだったので、反対する人はおらず、村全体がお祭り騒ぎでした。100人くらいの人が一緒にぞろぞろと並走していたり、みんなが旗を振って応援していたりしていたんですが、ドラマの中の再現シーンを見たら、当時がよみがえりましたね」(荷見さん)
※女性セブン2017年5月11・18日号