基本的に、二世帯住宅の間取りには3つのパターンがある。寝室以外をすべて共用する「完全同居型」、水回りなどの一部を共用しつつ生活空間を分ける「部分共用型」、生活空間をすべて分離する「完全分離型」だ。新田が選んだのは「完全分離型」だった。

「うちは母娘の同居なので、主人と母の間にトラブルがあれば、確実に私が間に挟まれます。それは絶対イヤだったので(苦笑)、衝突を避けるため、母と私たちの生活空間を全部分けたんです。玄関はもちろん、トイレもキッチンもお風呂もすべて別。主人と母は会う気がなければ、ずっと顔を合わせないですみます。施工主さんには“すべて分けると費用が倍かかる”と言われましたが、妥協しないでよかったと今でも思います。

 高齢者と現役世代は生活のサイクルが違うんですね。とくに年を取ると昼風呂に入りたくなったり、起床も就寝も早くなる。完全分離にしたことで、食事も入浴もトイレもすべて本人の自由。お互いの生活上のストレスがほとんどなくなりました」(新田)

 前出の松本氏も新田の話にうなずく。

「二世帯同居が成功するポイントは、いかにストレスなく生活できるかにかかっています。水回りや玄関を分け、用がない時は同居相手に会わずにすむ。そうした間取りが当社でも人気があります。“昨日、帰りが遅かったね”なんて言われると、生活を監視されているみたいで嫌になるでしょう。お互いのプライベートを確保しつつ、必要な時はすぐ会いに行ける間取りだと住人の満足度も高いんです。当社でも“迷ったら分けるべきです”と助言しています」

 予算の都合で分離できない場合でも、各世帯をつなぐ通路に鍵付きのドアを付けるなど、少しの工夫でプライバシーは確保できるという。

※女性セブン2017年5月25日号

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト