国内

東京都20億円クルーザーに暗雲、新国立競技場の二の舞か

都が発注したものと同タイプのクルーザー(ベネッティ社より)

 小池百合子・都知事(64)の頭を悩ませているのは、本誌・週刊ポストが報じた「20億円豪華クルーザー建造」に都民の批判が巻き起こっていることだ。

「京都の織物って何よ。そんなに豪華な内装にするなんて聞いていないわよ!」

 東京都が発注した五輪のVIP接待用の豪華クルーザー問題を報じた本誌(5月8日発売号)が発売されると、小池知事は“ご説明”にきた都庁港湾局幹部に立腹を隠さなかったという。

 問題のクルーザーは「メガヨット」と呼ばれる全長35メートル(約115フィート)の外洋タイプ。1階甲板に同時通訳設備付きの大会議室、2階の貴賓室には京都の織物の絨毯など日本の伝統工芸の調度品が備えられ、3階が展望デッキでエレベータまで備える豪華仕様になっている。すでにイタリアの大手造船会社「アジムット-ベネッティ」(以下、ベネッティ社)に約19億6235万円で発注され、来年12月に日本に回航されて都に引き渡される予定だ。

 建造の名目は都が保有する視察船「新東京丸」の老朽化に伴う代替船ということになっている。

 だが、本誌報道後にクルーザー問題はテレビのワイドショーなどで連日とりあげられ、批判が噴出。小池氏周辺は、「ダメージが大きくなる前に建造計画を見直さざるを得ない」という状況に追い込まれている。

 しかし、小手先の「見直し」ではかえって傷口を広げることになりかねない。もともとクルーザー建造は舛添要一・前知事時代に浜離宮の「迎賓館」建設とセットで計画され、東京五輪の際、VIPを羽田空港から迎賓館まで船で送る構想だった。迎賓館建設は小池知事によって中止されたが、クルーザーは発注され、しかも、水深が浅い羽田に着岸できるように高価なジェット推進で、船の喫水も1.2メートルと浅く設計されている。その仕様が新たなトラブルを招いている。

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