基本料金は一関の知勝院と同額だが、あちらは管理費等がかからなかったから、その分だけ若干高いな、と頭の中で比較する。契約には、ロータスプロジェクトの会員登録が必要で、年会費5000円(埋葬後は不要)。「墓地を含む里山保全に賛同し、生きているうちに協力し、没後は、生きている人たちに依存しよう」という考え方なのだ。
450区画あり、当初から広告は全くしてこなかったが、160人が契約済み。インターネット経由で来るケースが多く、7割が東京都西部、3割が23区内などの人。すでに80人が埋葬されているという。
「納骨の際に住職が『ご挨拶』として読経いたしますが、一周忌や三周忌に法要を頼むかたは、全体の2割くらいですね。樹木葬を求めるのは、宗教観よりも森の一部になることを願う人。お参りも、お彼岸やお盆より桜の季節の方が多く、墓地から続く30分ほどのトレイルコースを歩くのを楽しみに来るご家族もいますよ」
先般取材した都心の「室内墓」は、「買い物で近くに来たとき」などに、ついでに墓参する人が多かった。対して、樹木葬は山歩きとセットなのかもしれない。
最後に、「仮にNPOがなくなったら、樹木葬墓地はどうなります?」と気になっていたことを聞く。
「心配ありません。墓地そのものはお寺の所有なので、継続性が担保されていますから」(白石さん)
※女性セブン2017年6月15日号