ビジネス

『イッテQ!』の強さ 日テレ日曜「黄金の縦ライン」の効果も

視聴率で1位をひた走る日本テレビ

 テレビを見なくなった、見るとしても録画でと言われているが、日曜日の夜だけは事情が違う。視聴率を確かめると同時間帯に10%超の番組がいくつも並ぶ「テレビの時間」が、日曜夜だけ続いている。なかでも、5月7日(日)から5週連続で20%超を記録している『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の強さに、他局も負けない番組づくりをと声をあげるが、本音ではお手上げ状態だ。

「『イッテQ!』の高視聴率は番組そのものの面白さももちろんありますが、毎週、高視聴率を続けているのは、十年かけて、日本テレビが黄金の縦ラインをつくってしまったことが大きな要因だと思います。テレビの視聴というのは、『習慣』に従って行われることが多い。日曜夜は日本テレビをつけっぱなし、という習慣ができあがってしまった。これを打ち砕くのは、かなり難しいですね」(在京キー局のプロデューサー)

 ここでいう黄金の縦ラインとは、高視聴率の好循環をもった番組編成の流れのこと。日本テレビの場合、日曜夕方から夜にかけて、家族で一緒に見て楽しめる人気番組が数珠つなぎになっている。たとえば6月4日(日)の場合、17時半の『笑点』(16.4%)に始まり、『真相報道バンキシャ!』(13.2%)、『ザ!鉄腕!DASH!!』(17.5%)、『世界の果てまでイッテQ!』(21.6%)、『行列のできる法律相談所』(17.9%)、『おしゃれイズム』(11.8%)と22時台まで続く。

 日本テレビ以外も、日曜夜は高視聴率番組が多い。『サザエさん』(フジテレビ)11.3%、『日曜劇場・小さな巨人』(TBS)13.6%、大河ドラマ『おんな城主直虎』(NHK)12.1%、『世界卓球2017・混合ダブルス決勝・吉村/石川×陳/鄭』(テレビ東京)10.3%と健闘している。しかし、15%超を連発し、20%超が常態化しつつある『イッテQ!』の強さはぬきんでている。

「かつて日曜夜といえば、フジテレビが縦ラインをもっていました。夕方の『ちびまる子ちゃん』『サザエさん』に始まるそのラインは、21時からの『発掘!あるある大事典』(関西テレビ制作)の人気を中心につくられていたけれど、不祥事で2007年に番組が終了したことで失われた。その2007年に『イッテQ』が今の時間帯での放送を始めて今年で10年、すっかり立場が変わってしまいましたね」(前出のプロデューサー)

関連記事

トピックス

全国でクマによる被害が相次いでいる(AFLO/時事通信フォト)
「“穴持たず”を見つけたら、ためらわずに撃て」猟師の間で言われている「冬眠しない熊」との対峙方法《戦前の日本で発生した恐怖のヒグマ事件》
NEWSポストセブン
韓国のガールズグループ「AFTERSCHOOL」の元メンバーで女優のNANA(Instagramより)
《ほっそりボディに浮き出た「腹筋」に再注目》韓国アイドル・NANA、自宅に侵入した強盗犯の男を“返り討ち”に…男が病院に搬送  
NEWSポストセブン
ラオスに到着された天皇皇后両陛下の長女・愛子さま(2025年11月17日、撮影/横田紋子)
《初の外国公式訪問》愛子さま、母・雅子さまの“定番”デザインでラオスに到着 ペールブルーのセットアップに白の縁取りでメリハリのある上品な装い
NEWSポストセブン
ドジャース入団時、真美子さんのために“結んだ特別な契約”
《スイートルームで愛娘と…》なぜ真美子さんは夫人会メンバーと一緒に観戦しないの? 大谷翔平がドジャース入団時に結んでいた“特別な契約”
NEWSポストセブン
山上徹也被告の公判に妹が出廷
「お兄ちゃんが守ってやる」山上徹也被告が“信頼する妹”に送っていたメールの内容…兄妹間で共有していた“家庭への怒り”【妹は今日出廷】
NEWSポストセブン
靖国神社の春と秋の例大祭、8月15日の終戦の日にはほぼ欠かさず参拝してきた高市早苗・首相(時事通信フォト)
高市早苗・首相「靖国神社電撃参拝プラン」が浮上、“Xデー”は安倍元首相が12年前の在任中に参拝した12月26日か 外交的にも政治日程上も制約が少なくなるタイミング
週刊ポスト
相撲協会の公式カレンダー
《大相撲「番付崩壊時代のカレンダー」はつらいよ》2025年は1月に引退の照ノ富士が4月まで連続登場の“困った事態”に 来年は大の里・豊昇龍の2横綱体制で安泰か 表紙や売り場の置き位置にも変化が
NEWSポストセブン
三重県を訪問された天皇皇后両陛下(2025年11月8日、撮影/JMPA)
《季節感あふれるアレンジ術》雅子さまの“秋の装い”、トレンドと歴史が組み合わさったブラウンコーデがすごい理由「スカーフ1枚で見違えるスタイル」【専門家が解説】
NEWSポストセブン
俳優の仲代達矢さん
【追悼】仲代達矢さんが明かしていた“最大のライバル”の存在 「人の10倍努力」して演劇に人生を捧げた名優の肉声
週刊ポスト
10月16日午前、40代の女性歌手が何者かに襲われた。”黒づくめ”の格好をした犯人は現在も逃走を続けている
《ポスターに謎の“バツ印”》「『キャー』と悲鳴が…」「現場にドバッと血のあと」ライブハウス開店待ちの女性シンガーを “黒づくめの男”が襲撃 状況証拠が示唆する犯行の計画性
NEWSポストセブン
全国でクマによる被害が相次いでいる(右の写真はサンプルです)
「熊に喰い尽くされ、骨がむき出しに」「大声をあげても襲ってくる」ベテラン猟師をも襲うクマの“驚くべき高知能”《昭和・平成“人食い熊”事件から学ぶクマ対策》
NEWSポストセブン
オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト