『警視庁いきもの係』の初回視聴率8.9%は、過去作の『OUR HOUSE』4.8%、『HOPE~期待ゼロの新入社員~』6.5%、『キャリア~掟破りの警察署長~』7.9%、『大貧乏』7.7%、『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』6.9%を上回りました。
最大の理由は、動物に徹底フォーカスした癒しの映像でしょう。「主役として画面の中央にデンと映った」と思ったら今度は、「脇役としてさりげなく画面の隅に映り込んでいる」など、かわいらしさと愛きょうのある姿で癒しを感じさせました。そこにキュートな橋本環奈さんと渡部篤郎さんのやり取りを絡めてポップに事件解決させることで、子どもから大人まで楽しめる、間口の広い作品に仕上がっています。
ここで思い出されるのが、2011年に放送された『マルモのおきて』。まだ覚えている人も多いでしょうが、フジ日9は2010年10月~2013年3月にも放送されていました。しかし、当時もTBS日曜劇場に視聴率で1勝9敗の惨敗。しかし、その中で互角の勝負をしていたのは、『マルモのおきて』『早海さんと呼ばれる日』『ビューティフルレイン』の3作で、いずれも癒しを感じさせるドラマだったのです。
民放ドラマ枠の王者・日曜劇場と唯一勝負できるのは、視聴者がほっこりとした気持ちになれる癒しのドラマ。エンディングの着ぐるみダンスを見ても、そのコンセプトは明快であり、スタッフたちは今回の結果を見て、ようやく過去の成功体験を思い出したのではないでしょうか。
◆らしくない韓流リメイクで不安な日曜劇場