ある侍医を自宅前で取材待ちしていた時のことです。彼はレコードをいっぱいに抱え込んで帰宅しました。自宅で好きな曲を聴き、気を紛らわせているとのことでした。さすがに高木顕侍医長が自宅近くのパチンコ店にいたことには驚きましたが、患者は天皇陛下であり、四六時中、報道の監視付きの行動ですから気分転換の居場所探しは理解できました。

 1989年(昭和64年)1月7日午前6時33分、昭和天皇は皇居・吹上御所2階の寝室で皇后ら皇族方や医師が立ち会う中、崩御しました。後に発表された病名は「十二指腸乳頭周囲腫瘍(腺がん)」でしたが、昭和天皇には最後まで伏せられていました。がん告知がまだ一般的ではなかった時代です。ですが、陛下はうすうす感づいていたかもしれません。

【プロフィール】かんだ・ひでかず/1935年生まれ。テレビ朝日にて1978年から宮内庁担当記者。1995年退社後、フリーの皇室ジャーナリストとして活動。

※SAPIO2017年8月号

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