ただ、「平尾さんの遺産は多くても10億円程度ではないか」というのは、平尾さんの知人だ。

「平尾さんの2人目の妻の息子たち2人は名古屋で暮らしていますが、長男は事業をやっていて、次男は歌手やタレント活動をしています。口の悪い音楽仲間は“平尾は親バカ”というほど子煩悩なかただったので、彼らの事業費や活動費をかなり手助けしていたと聞いています。また、面倒見のいい平尾さんは親族への援助も多く、それほど蓄えているという印象はありません」

 とはいえ、10億円ともいわれる遺産が今後どうなるのかを、平尾さんの友人たちは心配しているわけだ。

 故人の財産が血縁関係者に移転することを「相続」という。誰に、どれくらいの割合で受け継がれるかなどは民法によって定められている。

 たとえば、法廷相続人が配偶者と子供1人の場合、配偶者に半分、子供に半分が相続される。子供が2人になっても、配偶者は半分のままで、子供2人が4分の1ずつを受け取ることができる。子供が3人いる平尾さんの場合、A子さんが半分を受け取って、残りを子供3人で均等にわけるルールになっている。

◆複雑化する遺産の行方

「著作権の相続の場合も、著作者(作曲者)の個人管理だとしたら、不動産や株券などの財産と変わらず、相続方法も同じで、遺族に相続されます。著作権は著作者の死後、50年間にわたって保護されます。ただし、複雑なのが、個人事務所や会社で著作権を所有している場合です。その際は著作者が亡くなっても、著作権は事務所に残り、配偶者や子供たちには相続されないんです」(音楽関係者)

 2014年1月に亡くなったやしきたかじんさん(享年64)のケースでも、個人事務所が資産を所有していて、それが遺産相続問題の争点になった。

 たかじんさんは平尾さん同様、3度の結婚をし、最初の妻との間に娘が1人いた。その一方で、亡くなる3か月前、一般人女性のSさんと再々婚していたのだ。たかじんさんがこの世を去ると、最期を看取った3人目の妻と1人娘の間で、10億円ともいわれる遺産をめぐる激しいバトルが勃発したことはよく知られている。平尾さんの周辺でもこんな心配の声が聞こえてくる。

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