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2017.07.30 16:00  女性セブン

「余命半年」と告知された人の命を延ばした「魔法の言葉」

訪問看護師として在宅医療に取り組む秋山正子さん


秋山:病院の看護師は患者と雑談をすることは基本的に禁じられています。でも、雑談の中にこそ、その人の人生の物語がある。どんな時代をどう生きてきたのか、いろんな苦労をされて今日に至った中に病気という一つの出来事があるわけです。今は病気のことで頭がいっぱいだけれども、今まで生きてきて輝けることがいっぱいありましたよね、と。そこに共鳴することが大事なんです。

小笠原:そうそう。雑談もしないで心が通うことはあり得ませんよね。

秋山:一人ひとりの話をよく聞いて、そのかたが何を大事にしているかを理解して、それに合った最期を迎えられるようにする。人生の物語は一人ひとりみんな違います。だから、看取りもそれぞれ違う。型通りにやって一丁あがりという世界ではないんですね。

小笠原:本当にさまざまですね。ぼくは多くのかたの在宅看取りをしましたが、みなさん、死を覚悟しながら、最期は死ぬ時を自ら選んだように家族が集まる中で亡くなったかた、笑顔でピースをして穏やかに亡くなられたかたも多いですね。

秋山:先生の本にはそういったかたがたくさん出て来ますね。

 私は余命半年と告知されて、その日まで周到に準備をされてきたがんの患者さんから、「半年たったけど、どうだろうか」と聞かれたことがあります。冬の寒い時期でしたし、とにかく人に気を遣うかただったので、「寒い時にお葬式に来る人は気の毒ですから、花が咲くまで待ってもいいんじゃないですか」と冗談まじりに言ったら、そのかたの肩の力がすうっと抜けました。ずっと緊張されていたんですね。その後は春の選抜高校野球を見たりして緩やかに過ごして、本当に花の咲く4月初めに亡くなりました。

小笠原:なんとめでたいご臨終でしょう。患者さんの緊張が解けた瞬間は、看護師冥利に尽きるでしょうね。

■撮影/太田真三

※女性セブン2017年8月3日号

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