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真矢ミキ 「勉強を如何に必要としているか」を実感する

受験生生活を回想する真矢ミキ

 女優として活動するとともにTBS系の情報番組『ビビット』のMCを務める真矢ミキ。そんな彼女は、つい最近まで受験生だったという。真矢が振り返る。

 * * *
 私、八月まで受験生していました。今年の初めから朝の番組OA後、せっせと塾に通い、“オスマン帝国の最盛期を築いたスルタンは”…スレイマン1世。…ヨシッ。なんて暗記して。

 何を受験したかというと、“高卒認定試験”(少し前まで大検と呼ばれていました)。高校受験できなかった人や、高校を中退した人に向けて、文部科学省が実施している試験だ。私は中学を出てすぐに宝塚音楽学校に入ったが、学歴として音楽学校はカウントされず中卒だ(※今の音楽学校は考慮され、当時とは違うそう)。

 勿論、音楽学校では普通の高校や大学で学ぶような勉強はしていない。知識が一部ガサッと抜けている感じで大人になった気分なのだ。そしてその穴の部分を、いつか埋めたいと常々思っていた。そんな私は皮肉な事に高学歴な役柄をいただく事が多い。今まで、東大、京大ほか名門大学がほとんど。台本をいただき、またですかと言わんばかりの確率。

 私自身も何だか、大学を卒業した気にもなっているから、最早、受験しなくても良いのでは? と思う事も…(冗談です)。

“真矢さん=高学歴”。そんな間違った観念をもたれている事は得しているような、虚しいような感覚に陥る。しかし、私は今回思った。50代は学びどきである。知的好奇心が明らかに深く、本物だからだ。

 とはいえ、記憶力は著しく、どうなのだろう(笑い)。記憶力はあるが、やる気がついてこない、若き日。そして、やる気があるのに記憶力がおぼつかない大人。…結局、勉強の本当のしどきはいつなのだろう。

 そんな訳で、私は自分の脳内にあるブラックホールと日々闘ってきた。だけど、年齢のせいだけにして良いのだろうか? そんな淋しい思考は、ただ自分の人生の先細りを作り上げるだけではないか。だから私はいつも、塾の先生のこの言葉を胸に刻んでいる。

「大丈夫です。忘れたら、また調べればいいんです。何度も、若い頃の何倍も何十倍も見直せばいいんです。ただそれだけです。必ず知識として吸収されますから」──自分より遥かに若い先生に何度もそう励まされたっけ(笑い)。

 うん、確かにそうだ。知識の細胞と筋肉は、いくつになっても増え、鍛えられるというから、自分を年齢の殻に閉じ込めてはいけない。と強く言い聞かせる。

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