異例の厳戒態勢の理由は、やはり今回の旅行に、高麗神社参拝というデリケートな予定が組み込まれていたからだろう。だからこそ、両陛下も本来の「距離感」を諦められた。それでも、高麗神社に足を運ばないという選択肢には至らなかった。
「その理由は、現在の日本と韓国との関係性に加え、ミサイル発射や核実験を繰り返す北朝鮮とアメリカの間で空気が張り詰めていることにあったのでしょう。もとはといえば、高句麗の支配地域は現在の北朝鮮の領土です。韓国と北朝鮮も38度線を挟んでにらみ合いを続けているわけですから、いざ戦争にまで発展すれば、朝鮮半島すべてが“戦地”となってしまってもおかしくはありません。だからこそ両陛下は、高麗神社を参拝することで“平和を願っている”ことを無言のうちに伝えようとされたのではないでしょうか」(皇室ジャーナリスト)
旅行を終え東京駅に降り立たれた美智子さまは、薄い茶色のサングラスをかけられていた。
「相手に表情がよく伝わるように」
そんなお気持ちから、美智子さまは小ぶりな帽子を愛用されている。サングラス姿を見慣れないのも、同様の理由からだろう。9月下旬を迎えても依然強い日差しが、もし美智子さまにとって堪える部分があったかと思うと、心配が募る。
それでも、美智子さまの目に映っていたのは「平和への祈り」だけだったのだろう。
撮影/雑誌協会代表取材
※女性セブン2017年10月12日号