これまで15人がポスティング制度を使って、メジャー移籍を成し遂げている。過去石井一久、岩村明憲、青木宣親という3人の大物を同制度で送り出したヤクルト。田中将大と前田健太という投手の絶頂期にありながらも、彼らの意志を尊重した楽天と広島。そして、このオフに、同制度での移籍が噂される大谷翔平の所属する日本ハム。目に見える形でポスティングを球団経営の中核として考えているこの4球団は、清宮サイドへの強力な説得材料として提示するだろう。
但し、上限が2000万ドルという現行のポスティング制度は来月末で期限切れを迎える。すでに延長せずに、新制度になるのか、はたまた日米どちらかが破棄するのかも不透明だが、大谷移籍が濃厚の中、いかなる形でもポスティング制度を存続させることだけは間違いないだろう。
志望届を出した以上、全球団に清宮を指名する権利はもちろんある。しかし、日本のプロ野球の先のメジャーを見据える清宮にとって、面談は非常に大切なプロセスであり、「ポスティング容認」という確約は大きな後ろ盾になるはずだ。その上で考えると、お互いの考えが一致しないまま指名をすることはまずあり得ないだろう。
すでに阪神がドラフト1位を明言しているが、ドラフト史上最多指名はあるのかどうか。それとも競合を避けて、即戦力投手などの安全策で行くのか。来月26日のドラフト当日まで、清宮を中心にして、水面下で12球団の駆け引きは続くことになる。