気は早いが、高橋監督の後釜として有力視されているのが、あの男だという。
「若手を育てながら、人気も維持するとなれば、中畑清・前DeNA監督が最適でしょう。中畑さんは自分自身が大卒4年目でようやくポジションを奪った苦労人。1979年の地獄の伊東キャンプも経験し、若手が育っていた1980年代の巨人を知っている人間で、実際にDeNAの監督としても筒香嘉智など現在の主力のほとんどを育てました。選手を見る眼もたしかです」
一方で、万年BクラスのDeNAだから若手を起用できたが、毎年優勝を要求される巨人では無理だという意見も見受けられる。
「巨人の優勝がなぜ至上命題かと言えば、新聞の部数やテレビの視聴率、観客動員など親会社や球団の収入に大きく関わってくると考えられているから。つまり、人気が維持できれば、優勝しなくてもそこまでとやかく言われないはず。
中畑さんはDeNAの監督時代5位2回、最下位2回でしたが、毎年観客動員を増やし、4年間で165%アップを果たした。2015年は最下位だったのに、優勝した1998年の大入り回数、チケット完売回数を上回っている。ファンクラブ会員数も4年間で約10倍になった。もちろんDeNAの企業努力もありますが、中畑監督の発信力がなければ、そこまで観客が増えなかったことは厳然たる事実です。
『巨人が若手を育てる』という不可能に思えることを可能にできるのは、中畑さんが筆頭候補かもしれません」
来シーズンが終われば、充電3年となる中畑清氏。巨人が本気で育成に舵を切るつもりなら、うってつけの監督か。