年の離れた弟たちに家計簿を付けさせたエピソードもあり、「若い頃っていうのは、ある抑圧をかけないといけない。ちゃんと規律的なことをやってからの自由っていうのが一番美しい。規律みたいなものをしっかり持っていてもらいたい」(「スポニチアネックス」2017.1.21)。

 こうしたコメントからは、売れっ子となり有頂天となった人にありがちなチャラさとは正反対の、良き規律性や渋み、人間性の深さがのぞいています。

 芸歴は30年近くと苦労人。まだ36才ながらベテラン役者として脂が乗りきった観のある高橋さんですが……考えてみると連続ドラマにおける「主役」はまだほとんどなく未知数です。『おんな城主 直虎』(NHK)の小野政次や『カルテット』(TBS)の家森諭高と、主役以上に目立つ瞬間もありましたが、基本的には「脇役」。

 では今後、高橋さんが「連続ドラマの主役をやる」としたら? いったいどんな役がはまるでしょうか?   犯罪者? コメディアン? 革命家? 

 ぜひ、強い印象を刻むような主役をやって欲しい。器用で技術力が高くてどんな役でもそれなりにこなしてしまいそうな高橋さんですが、だからこそ、ぜひとも後世まで語り草になるような役を演じ切って欲しい。そう、「高橋一生でなければこの役はできなかった」と言われるような。

 過去に、人気を博し社会的話題を振りまいた人気ドラマには印象的な「オンリーワン主役」たちがいましたね。たとえば、『家政婦のミタ』(日本テレビ)の松嶋菜々子。『半沢直樹』(TBS)の堺雅人。

 これから高橋さん独自の、インパクトある代表作を生み出して欲しいものです。そう、ドラマ界自体が高橋さんをどう起用するのか、どう起用できるのか? 問われている大きな課題の一つ、と言っていいかもしれません。

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