スポーツ

相撲協会 来年2月の理事長選で一門制が瓦解するとの見方も

土俵よりも”土俵外”に注目が集まる(写真:時事通信フォト)

「日馬富士暴行事件」に端を発した対立で、八角理事長(元横綱・北勝海)と貴乃花親方の関係は修復不能となり、もはやどちらかが相手陣営を「崩壊」させる決着以外、あり得なくなった。

 来年2月の理事選では、従来の「一門制」が完全に瓦解するという見方も出てきている。これまでの理事選では、各一門が候補を調整してポストを分け合うことが基本となってきた。既存の一門支配に疑問を呈す貴乃花親方はあくまで非主流派であり、前回の理事長選では10人の理事による互選で貴乃花2票、八角6票(当事者を除く)と一方的な結果に終わった。だが、今回は様相が違う。各一門のなかに、貴乃花親方に共鳴する動きがあり、これまでのような候補者調整が難しくなる可能性があるのだ。

「たとえば二所ノ関一門では、現理事の二所ノ関親方(元大関・若嶋津)が入院中で再選は難しい。そうなると後任は副理事の芝田山親方(元横綱・大乃国)が順当だが、すでに頭数が揃っているといわれる貴乃花親方と近い親方たちが候補者を擁立する可能性が高い。

 時津風一門には時津風親方(元前頭・時津海)や錣山親方(元関脇・寺尾)ら現役時代から貴乃花親方と意気投合する面々が多く、やはり立候補する動きを見せている。最大派閥の出羽海一門にも山響親方(元前頭・巌雄)や玉ノ井親方(元大関・栃東)といった貴乃花グループの若手親方リーダーがいる。また、理事長のお膝元である高砂一門でも、八角部屋付きの陣幕親方(元前頭・富士乃真)の娘は、貴乃花親方の長男と結婚。しかも、来年の理事選前に、これまでの一門の枠を超えた“別グループ”を立ち上げる動きまで出てきている」(若手親方)

 そうなると現在の執行部と貴乃花グループのどちらが多数派となるか、全く見えない状況が生まれてくる。

 貴乃花親方の「クーデター」の成否を決める本当の戦いは九州場所千秋楽が終わったと同時に、幕が上がる。

※週刊ポスト2017年12月8日号

関連記事

トピックス

6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
大谷翔平の投手復帰が待ち望まれている状況だが…
大谷翔平「二刀流復活でもドジャースV逸」の悲劇を防ぐカギは“7月末トレード” 最悪のシナリオは「中途半端な形で二刀流本格復活」
週刊ポスト
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
左:激太り後の水原被告、右:2月6日、懲役刑を言い渡された時の水原被告(左:AFLO、右:時事通信)
《3度目の正直「ついに収監」》水原一平被告と最愛の妻はすでに別居状態か〈私の夢は彼と小さな結婚式を挙げること〉 ペットとの面会に米連邦刑務局は「ノー!ノー!ノー!」
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン