前回と異なるのは「生前退位」という点であり、むしろ世は祝賀ムード一色となりそうだ。5月1日に予定される催事や各イベントは通常通り催行される可能性が高い。当日はメーデーで、例年、各地で労働者の権利を訴えるデモや集会が開かれている。祝賀ムードとはややミスマッチな気もするが、連合は「今のところ2019年のメーデーをどうするかの議論はとくにないですね……」とするのみだった。
新天皇の“お披露目”が即位後直ちに行なわれるとの見方もある。
「前回は喪が明けた後、1990年11月の『即位の礼』当日にオープンカーに乗った天皇皇后両陛下が皇居から赤坂御所までパレードする『祝賀御列の儀』や、秋の園遊会、一般参賀などのお披露目が立て続けに行なわれました。今回は喪がなく、即位後すぐに『即位の礼』やパレード、一般参賀を行なう可能性があります」(神道学者の高森明勅氏)
一連の行事はあくまで今上天皇の意向に沿ったものになるとみられている。
「もともと生前退位は“国民にできるだけ負担をかけない”との今上天皇のご意向があってのこと。できる限り簡素化された行事になる見通しです。ただ、国民とともに歩んできた30年があるだけに、平成最後の日(2019年4月30日)には皇居前広場や『長和殿』で退位式典を開き、国民に最後の挨拶をされるかもしれません。一方で、退位して上皇となった後は“二重権威”との批判を避けるため、新天皇と同じ行事には参列しないとみられます」(宮内記者会所属の記者)
退位後はいつ、どこに居を移すことになるのか。
「まず考えられるのは、ご退位後、両陛下が御所から出られて、赤坂東邸か高輪皇族邸に仮住まいになることです。その期間は2年ほどになると考えられます。その間に、現在皇太子殿下がお住まいの東宮御所を改修します。両陛下は改修後の東宮御所にお住まいになると思われます」(山下氏)
※週刊ポスト2017年12月15日号