ジャーナリスト・櫻井よしこ氏 撮影/黒石あみ


櫻井:本当にそうですね。国民の生命と財産、国土を守ることが国家の第一の義務であるにもかかわらず、日本はそれを米国に頼ってきました。トランプ批判ばかりが報じられますが「自国防衛に責任を持て」というのは当たり前の話です。

ケント:はい。日本人はトランプ大統領の発言を勘違いしていますね。「在日米軍の費用をもっと出せ」というのは言葉通りではなく、「いちいち米国を頼らずに自分で守れ」という意味。 尖閣諸島の防衛についてトランプ大統領は「We stand behind Japan」と言いました。日本が戦うなら「behind(後ろ)」から支援するよというのが米国の本音です。

櫻井:日本が動かなければ米国は動かない。これも当然のことですね。野党は「日米安保のせいで戦争に巻き込まれる」と批判してきましたが、今は逆に、米国が日米同盟を理由に中国との戦争に引きずり込まれることを警戒しています。

ケント:そう、まったく逆なんですよ。じゃあ米国は尖閣諸島を守るのか守らないのか。守るかもしれません。でもそれは米国の国益のためです。尖閣諸島防衛が米国の国益にかなうと判断すれば、その時は戦う。

櫻井:そもそもなぜ米国人の血を流してまで米国が日本を守る義務があるのかという根本を、日本人は理解しなければいけませんね。お互いの国益が合致して初めて日米安保は有効に機能するんです。

 ところが日本は自国の防衛力の整備・強化すら、「米国に言われたから防衛費を増やした」とか、“渋々従っている”形をとってきました。でもそのようなことはもう通じません。

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