ケント:今後、日本は国益を主張すればいいだけだと思います。ところが、僕がそう言うと「日本では国益を主張するのは『美徳』ではない」という人がいる。いつから外交が美徳の話になったのでしょう。
櫻井:おかしな話ですね。日本人が国益について世界の基準と比べて的外れな反応をしてしまうのは、戦後、日本が国というものを考えてこなかったからだと思います。
ケント:それは占領下で行われた洗脳政策、WGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)の結果です。戦争への罪悪感を日本人に植え付けるために行われました。 日本を弱い国のままにしておくことを目的としており、同じ理由で米国が行った制裁措置のメインマストが憲法9条ですよ。ところが朝鮮戦争が勃発して、米国は日本を強い同盟国にする必要に迫られた。
米国は憲法9条が間違いだったということをすでに1950年代に認めています。今も憲法9条を早く改正して、日本のことは日本でなんとかしてくれというのが本音でしょう。
櫻井:ところが日本は国防を米国に頼りきり、経済のことしか考えてきませんでした。吉田茂氏が首相になった時、腹心の辰巳栄一元陸軍中将が憲法を改正して軍隊を持つべきだと進言しましたが、吉田首相は耳を貸さなかった。しかし、首相を辞めた後に辰巳の助言が正しかった、自分が間違っていたと振りかえっているんです。
ケント:首相でいる間に気づいて欲しかったですね。