芸能

広瀬すず、吉岡里帆、石原さとみ 新ドラマは「妙に過剰」

番組公式HPより

 注目作が目白押しの今クールの幕が開いた。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 話題のドラマ『anone』(日テレ系水曜22時)のキャッチコピーは「私を守ってくれたのは、ニセモノだけだった。」そのコピーが示すように、ニセモノにまつわる出来事がおこりそこから真実の人間愛を見つけていく物語のようです。

 主人公は、家もなく家族もいない天涯孤独の19歳・辻沢ハリカ(広瀬すず)。偶然、一人暮らしの老女(田中裕子)と出会い暮らすようになる。

 脚本は坂元裕二氏のオリジナル。前作『カルテット』の大反響もあってか、今回のドラマも「闇だからこそ、見える光がある」「一瞬たりとも目も耳も離せない」「中身の濃い内容」といった感想を見かけます。

 でもこのドラマ、どこか過剰すぎないでしょうか?

 第1話、19歳のハリカがガスマスク姿でバイトしているシーンが映し出されました。孤独死した住人の部屋等を掃除する特殊清掃の仕事という。床の上には亡くなった人の痕跡まで描き出された。

 そのハリカが暮らすのはネットカフェ。カフェ難民の女の子たちが札束(実は偽札)を奪い合い、相手をスタンガンで攻撃するという描写も。

 そしてハリカが幼少時にいた施設は、子供が死ぬほど酷い虐待をしていた問題施設だと明かされました。

 一方、余命半年と宣言された持本舵(阿部サダヲ)と放火の罪で服役していた青羽るい子(小林聡美)が出会い意気投合して、死に場所を探すことに。

 第2話は、その持本と青羽が勝手に他人の家に入りこみ、家を荒らし偽札を盗もうとし、目撃したハリカは体を拘束されテープで口封じで誘拐され……。

 ドラマが描こうする「疑似的家族」というテーマは興味深い。それだけに、過剰な部分が悪目立ちしている気がするのは私だけしょうか? ドラマの中には普通の人が圧倒的に少ない。日常シーンが数えるほどしかない。脚本家の意欲ゆえなのか、他の人がまだ描いていないシーンをとオリジナリティを追求するがためか。それとも、刺激度を上げて視聴者の関心を惹こうとしているのでしょうか?

「…坂元さんには物語性を大切に取り組んでもらっています。傲慢なことを言うと、昨今のドラマの中でちゃんとした作品性を問うドラマを届けたいからです。視聴率を獲るためだけの仕事はしたくない」とプロデューサーの次屋尚氏は語っています(マイナビニュース2018.1.10)。

 昨今のドラマの中で「ちゃんとした作品性」とは何か。少なくとも、刺激盛りではないはず。「視聴率を獲るためだけの仕事はしたくない」というプロデューサーの言葉を信じたい。

関連記事

トピックス

どんな役柄でも見事に演じきることで定評がある芳根京子(2020年、映画『記憶屋』のイベント)
《ヘソ出し白Tで颯爽と》女優・芳根京子、乃木坂46のライブをお忍び鑑賞 ファンを虜にした「ライブ中の一幕」
NEWSポストセブン
相川七瀬と次男の凛生君
《芸能界めざす息子への思い》「努力しないなら応援しない」離婚告白の相川七瀬がジュノンボーイ挑戦の次男に明かした「仕事がなかった」冬の時代
NEWSポストセブン
俳優の松田翔太、妻でモデルの秋元梢(右/時事通信フォト)
《松田龍平、翔太兄弟夫婦がタイでバカンス目撃撮》秋元梢が甥っ子を優しく見守り…ファミリーが交流した「初のフォーショット」
NEWSポストセブン
世界が驚嘆した大番狂わせ(写真/AFLO)
ラグビー日本代表「ブライトンの奇跡」から10年 名将エディー・ジョーンズが語る世界を驚かせた偉業と現状「リーチマイケルたちが取り戻した“日本の誇り”を引き継いでいく」
週刊ポスト
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《即完売》佳子さま、着用した2750円イヤリングのメーカーが当日の「トータルコーディネート」に感激
NEWSポストセブン
国連大学50周年記念式典に出席された天皇皇后両陛下(2025年9月18日、撮影/JMPA)
《国連大学50周年記念式典》皇后雅子さまが見せられたマスタードイエローの“サステナブルファッション” 沖縄ご訪問や園遊会でお召しの一着をお選びに 
NEWSポストセブン
豪雨被害のため、M-1出場を断念した森智広市長 (左/時事通信フォト、右/読者提供)
《森智広市長 M-1出場断念の舞台裏》「商店街の道の下から水がゴボゴボと…」三重・四日市を襲った記録的豪雨で地下駐車場が水没、高級車ふくむ274台が被害
NEWSポストセブン
「決意のSNS投稿」をした滝川クリステル(時事通信フォト)
滝川クリステル「決意のSNS投稿」に見る“ファーストレディ”への準備 小泉進次郎氏の「誹謗中傷について規制を強化する考え」を後押しする覚悟か
週刊ポスト
アニメではカバオくんなど複数のキャラクターの声を担当する山寺宏一(写真提供/NHK)
【『あんぱん』最終回へ】「声優生活40年のご褒美」山寺宏一が“やなせ先生の恩師役”を演じて感じた、ジャムおじさんとして「新しい顔だよ」と言える喜び
週刊ポスト
林家ペーさんと林家パー子さんの自宅で火災が起きていることがわかった
《部屋はエアコンなしで扇風機が5台》「仏壇のろうそくに火をつけようとして燃え広がった」林家ぺー&パー子夫妻が火災が起きた自宅で“質素な暮らし”
NEWSポストセブン
1年ほど前に、会社役員を務める元夫と離婚していたことを明かした
《ロックシンガー・相川七瀬 年上夫との離婚明かす》個人事務所役員の年上夫との別居生活1年「家族でいるために」昨夏に自ら離婚届を提出
NEWSポストセブン
“高市潰し”を狙っているように思える動きも(時事通信フォト)
《前代未聞の自民党総裁選》公明党や野党も“露骨な介入”「高市早苗総裁では連立は組めない」と“拒否権”をちらつかせる異例の事態に
週刊ポスト