芸能

小室哲哉「不倫引退」への同情をどう滲ませるべきなのか

会見では度々声を詰まらせた 時事通信フォト

 ここのところ幾度となく繰り返されてきた“釈明会見”だが、今回の会見の後には異なる景色が広がったように見えた。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
「不倫報道」というもののくだらなさが、また浮き彫りになったと言えるでしょう。1月18日発売の『週刊文春』が、音楽プロデューサー・小室哲哉(59)と看護師との不倫疑惑を報じました。グラビアページでは、腕を組んだとも言えないぐらいそっと腕を添えている不鮮明なモノクロ写真などを3ページで掲載。そのほか記事ページでは、取材で調べ上げたことや小室本人を直撃したインタビューも、4ページにわたって載っています。

 いわゆる「世間の人たち」のうち、建前はともかく本音の部分で「不倫をするなんて人間として最低だ!」「不倫は絶対に許されることではない!」と考えている人の割合は、はたしてどのぐらいでしょうか。けっして大多数ではないと推察されます。しかし、誰かがテレビ番組の中で「まあ、いいじゃないか」「そのぐらい見逃してやれよ」と言ったら、偏狭な上にヒマな「正義の味方」のみなさんに、どんな攻撃を受けるかわかりません。

 かくして、ワイドショーの司会者やコメンテーターのみなさんは、こういうことが起きるたびに、本音を押し隠して、眉をひそめたり非難の言葉を投げつけたりしています。そんな風潮は一般市民の生活にも広がっていて、ヘタに揚げ足を取られないように、無難な感想しか言えない世の中になってしまいました。まったく嘆かわしいことです。

 19日の記者会見で、小室哲哉は「引退」を発表しました。妻であるKEIKOが、2011年10月にくも膜下出血を発症。以来6年にわたって、彼はリハビリに取り組む妻を献身的に支えてきました。最近は小室自身がしばしば体調を崩すなど、介護疲れが顕著だったという話もあります。本人が語っている「僕なりのケジメ」としてだけでなく、いろんなことに疲れてしまったのかもしれません。

 小室が精神的に辛い状況にあったことは想像できるだけに、この件に対するコメントは「不倫ケシカラン」一色ではなく、同情的なニュアンスが含まれているケースが目立ちます。しかし、ストレートに同情を示して擁護するわけにはいきません。見どころは、コメントのプロのみなさんが、あの手この手で同情を滲ませているところ。そこから、大人としての遠回しな擁護の仕方や、真意のひそませ方を学びましょう。

 かなり大胆に踏み込んでいたのが、18日のTBS系「ビビット」に出演したタレントのテリー伊藤。不倫疑惑を報じられた小室と妻のKEIKOについて、こう語りました。

「KEIKOさんがどこまで知っていたか、ぼくはわからないけど」「こういうことはどこの家庭でもある。倒れた人が、旦那がまだ若いから、ほかの人と遊んでもいいと思っている可能性もある」「裏切りかもしれないが、KEIKOさんからみたらホッとしているかもしれない」「これは夫婦じゃないとわからないけど」

 すべて勝手な推測でありあくまで暴論という体を取りながら、小室に対する深い同情と理解を示し、わざわざ報じるメディアやいちいち騒ぐ世間に対して「よその夫婦のことは、ほっといてやれよ。一生懸命がんばってるのに」というメッセージをにじませています。

関連記事

トピックス

〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
〈# まったく甘味のない10年〉〈# 送迎BBA〉加藤ローサの“ワンオペ育児”中もアップされ続けた元夫・松井大輔の“イケイケインスタ”
NEWSポストセブン
Benjamin パクチー(Xより)
「鎌倉でぷりぷりたんす」観光名所で胸部を露出するアイドルのSNSが物議…運営は「ファッションの認識」と説明、鎌倉市は「周囲へのご配慮をお願いいたします」
NEWSポストセブン
逮捕された谷本容疑者と、事件直前の無断欠勤の証拠メッセージ(左・共同通信)
「(首絞め前科の)言いワケも『そんなことしてない』って…」“神戸市つきまとい刺殺”谷本将志容疑者の“ナゾの虚言グセ”《11年間勤めた会社の社長が証言》
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“タダで行為できます”の海外インフルエンサー女性(26)が男性と「複数で絡み合って」…テレビ番組で過激シーン放送で物議《英・公共放送が制作》
NEWSポストセブン
ロス近郊アルカディアの豪
【FBIも捜査】乳幼児10人以上がみんな丸刈りにされ、スクワットを強制…子供22人が発見された「ロサンゼルスの豪邸」の“異様な実態”、代理出産利用し人身売買の疑いも
NEWSポストセブン
谷本容疑者の勤務先の社長(右・共同通信)
「面接で『(前科は)ありません』と……」「“虚偽の履歴書”だった」谷本将志容疑者の勤務先社長の怒り「夏季休暇後に連絡が取れなくなっていた」【神戸・24歳女性刺殺事件】
NEWSポストセブン
アメリカの女子プロテニス、サーシャ・ヴィッカリー選手(時事通信フォト)
《大坂なおみとも対戦》米・現役女子プロテニス選手、成人向けSNSで過激コンテンツを販売して海外メディアが騒然…「今まで稼いだ中で一番楽に稼げるお金」
NEWSポストセブン
(写真/共同通信)
《神戸マンション刺殺》逮捕の“金髪メッシュ男”の危なすぎる正体、大手損害保険会社員・片山恵さん(24)の親族は「見当がまったくつかない」
NEWSポストセブン
ジャスティン・ビーバーの“なりすまし”が高級クラブでジャックし出禁となった(X/Instagramより)
《あまりのそっくりぶりに永久出禁》ジャスティン・ビーバー(31)の“なりすまし”が高級クラブを4分27秒ジャックの顛末
NEWSポストセブン
愛用するサメリュック
《『ドッキリGP』で7か国語を披露》“ピュアすぎる”と話題の元フィギュア日本代表・高橋成美の過酷すぎる育成時代「ハードな筋トレで身長は低いまま、生理も26歳までこず」
NEWSポストセブン
野生のヒグマの恐怖を対峙したハンターが語った(左の写真はサンプルです)
「奴らは6発撃っても死なない」「猟犬もビクビクと震え上がった」クレームを入れる人が知らない“北海道のヒグマの恐ろしさ”《対峙したハンターが語る熊恐怖体験》
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘に関する訴訟があった(共同通信)
「オオタニは代理人を盾に…」黒塗りの訴状に記された“大谷翔平ビジネスのリアル”…ハワイ25億円別荘の訴訟騒動、前々からあった“不吉な予兆”
NEWSポストセブン