同じ18日にテレビ朝日系「ワイド!スクランブル」に出演した医師でタレントの友利新も、次のような言い方で、遠回しに「ほっといてやれよ」と言っています。

「介護って本当に出口がないというか、終わりが見えない、すごくきれい事では済まされないことがたくさんあるんですね」「そういった中でつい……もちろん倫理的にはいけないことですけれども、求めてしまう気持ちを抑えることが私たち他人ができるのか。この夫婦にとって、いびつかもしれないけど、夫婦の関係を保っていたとしたら、この報道に何の意味があったのか」

 タレントの坂上忍も、18日放送のフジテレビ系「バイキング」の中で、こういう含みのある言い方で苦言を呈しました。

「今回の件、視聴者の中にも介護はとんでもなく大変で、ストレスがたまること。そういうのを踏まえて同情的に見てらっしゃる方も中にはいるかもしれない」「だからこそ、2ショットを撮られちゃダメ」

 坂上も、週刊誌が狙った獲物は逃がさないことは百も承知の上なので、撮られた小室の「落ち度」を本気で責めているわけではないはず。視聴者に託して、自分も同情的に見ていることを示しています。

 ただ、やさしく言いすぎたと思ったのか、翌日の放送では「引退というけじめのつけ方もあるのかもしれないが、(引退だと)復帰するのも自由なので、引退がけじめのすべてにはならないのではないかと思う」と辛口で語りました。これも強引に解釈すれば、ほとぼりが冷めたらまた戻ってきてほしいというメッセージだと読み取れなくもありません。

 さすがプロのみなさん、それぞれにギリギリのところで真意をにじませています。私たちも、同僚や友達が仕事で大きなミスをしたり女性問題を起こしたりしたけど、かばってあげたい気持ちもあるときには、この手法を見習いましょう。

「もちろんよくないことだけど」とか「当人しかわからないけど」といった前置きを付けて、「同情的に見る人もいるかもしれないね」と主語が誰かよくわからない言い方をすれば、そんなに非難しなくていいじゃないかという真意をにじませることができます。同僚や友達だけでなく、バッシングされている著名人に対して使ってもかまいません。

 今回の件をきっかけに、他人の不倫や色恋沙汰をわざわざ暴き立てたり、外野から非難したりする行為に疑問を抱く人が増えてほしいところ。「ほっといてやれよ」「いいじゃないかよそのことは」というスタンスを取ることや、時には「見て見ぬフリ」をすることがいかに上品で崇高かという認識が広がることも、とくに他意はありませんが願ってやみません。

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