国内

韓国の慰安婦合意反故「背景に東京裁判史観あり」との指摘

東京裁判史観の呪縛で喜ぶのは誰か

 韓国政府が、慰安婦問題に関する日韓合意を事実上反故にした問題。韓国は、何度も慰安婦問題を蒸し返し、国際的な約束をひっくり返してきた。中国や北朝鮮も、依然として歴史認識で日本を責め立てる姿勢を変えようとしない。軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、その問題の根幹に「東京裁判史観」があると指摘する。

 * * *
 東京裁判と並行して実施されたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による日本占領政策は、日本にすべての戦争責任を負わせ、日本人に拭い去れない贖罪意識を植え込むWGIP(ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム)と呼ばれる洗脳政策を徹底して行うことだった。これによって日本人は思考回路が完全に狂わされ、外交において日本が堂々と他国と渡り合えなくなり、さらに安全保障面では目も当てられないほど萎縮して自国を守ることすら他国の顔色を見るようになった始末である。

 アメリカは、占領政策を円滑ならしめるため、諸悪の根源は日本軍部と軍首脳にあるとして徹底的な宣伝工作を実施したわけだが、いつしか日本人が、戦争や軍隊に対する無条件の嫌悪感を抱くようになり、あろうことか自国を守ることにすら罪悪感を覚え、自国民を助けることすら躊躇する病的な心理状態に陥ってしまったのだ。

 だがそんな国内事情などにお構いなく、昨今、日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増しており、むしろこの日本の弱みにつけ込むように中国や北朝鮮の軍事的挑発行動はエスカレートする一方である。ところがこうした軍事的脅威に直面しながらも、GHQによって押し付けられた日本国憲法を変えることはもとより、議論することすら許さないという信じがたいことを言い出す人々がいる。

 ちょっと待ってもらいたい。憲法の条文を死守することは国民の命を守ることより大切なのだろうか。本末転倒とはこのことを言う。

関連記事

トピックス

オールスターゲーム前のレッドカーペットに大谷翔平とともに登場。夫・翔平の横で際立つ特注ドレス(2025年7月15日)。写真=AP/アフロ
大谷真美子さん、米国生活2年目で洗練されたファッションセンス 眉毛サロン通いも? 高級ブランドの特注ドレスからファストファッションのジャケットまで着こなし【スタイリストが分析】
週刊ポスト
公金還流疑惑がさらに発覚(藤田文武・日本維新の会共同代表/時事通信フォト)
《新たな公金還流疑惑》「維新の会」大阪市議のデザイン会社に藤田文武・共同代表ら議員が総額984万円発注 藤田氏側は「適法だが今後は発注しない」と回答
週刊ポスト
“反日暴言ネット投稿”で注目を集める中国駐大阪総領事
「汚い首は斬ってやる」発言の中国総領事のSNS暴言癖 かつては民主化運動にも参加したリベラル派が40代でタカ派の戦狼外交官に転向 “柔軟な外交官”の評判も
週刊ポスト
黒島結菜(事務所HPより)
《いまだ続く朝ドラの影響》黒島結菜、3年ぶりドラマ復帰 苦境に立たされる今、求められる『ちむどんどん』のイメージ払拭と演技の課題 
NEWSポストセブン
初代優勝者がつくったカクテル『鳳鳴(ほうめい)』。SUNTORY WORLD WHISKY「碧Ao」(右)をベースに日本の春を象徴する桜を使用したリキュール「KANADE〈奏〉桜」などが使われている
《“バーテンダーNo.1”が決まる》『サントリー ザ・バーテンダーアワード2025』に込められた未来へ続く「洋酒文化伝承」にかける思い
NEWSポストセブン
公職上の不正行為および別の刑務所へ非合法の薬物を持ち込んだ罪で有罪評決を受けたイザベル・デール被告(23)(Facebookより)
「私だけを欲しがってるの知ってる」「ammaazzzeeeingggggg」英・囚人2名と“コッソリ関係”した美人刑務官(23)が有罪、監獄で繰り広げられた“愛憎劇”【全英がザワついた事件に決着】
NEWSポストセブン
立花孝志容疑者(左)と斎藤元彦・兵庫県知事(写真/共同通信社)
【N党党首・立花孝志容疑者が逮捕】斎藤元彦・兵庫県知事“2馬力選挙”の責任の行方は? PR会社は嫌疑不十分で不起訴 「県議会が追及に動くのは難しい」の見方も
週刊ポスト
超音波スカルプケアデバイスの「ソノリプロ」。強気の「90日間返金保証」の秘密とは──
超音波スカルプケアデバイス「ソノリプロ」開発者が明かす強気の「90日間全額返金保証」をつけられる理由とは《頭皮の気になる部分をケア》
NEWSポストセブン
三田寛子(時事通信フォト)
「あの嫁は何なんだ」「坊っちゃんが可哀想」三田寛子が過ごした苦労続きの新婚時代…新妻・能條愛未を“全力サポート”する理由
NEWSポストセブン
大相撲九州場所
九州場所「17年連続15日皆勤」の溜席の博多美人はなぜ通い続けられるのか 身支度は大変だが「江戸時代にタイムトリップしているような気持ちになれる」と語る
NEWSポストセブン
一般女性との不倫が報じられた中村芝翫
《芝翫と愛人の半同棲にモヤモヤ》中村橋之助、婚約発表のウラで周囲に相談していた「父の不倫状況」…関係者が明かした「現在」とは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市首相「12.26靖国電撃参拝」極秘プランほか
NEWSポストセブン