”怪獣博士”の池田憲章


──今なお写真集が復刻されるほど、アンヌの豊満な肉体は人気が高いですよね。

池田:もともとアンヌ役に決まっていた女優が直前で降板したので、隊員服をそのまま使った。それでサイズが合わず、胸とかボディラインを強調する形になったんです。ロングヘアが多かったヒロインの中で、フランス女優のセシールカットを意識した短髪の髪型も印象的でした。

なべ:セブンに変身するモロボシ・ダンと見つめ合っている空気も良かったですね。

──特撮ヒロインはやがて、スーパー戦隊シリーズのように、自身も戦う側へと発展します。その象徴として、美脚を出すビジュアルが増えました。

なべ:脚どころか『快傑ライオン丸』(1972~1973年、フジテレビ系)の沙織(九条亜希子)は、時々パンツがチラッと見えてました。それをずっと見せつけられたら、そりゃあ、主演の潮哲也さんも戦いに頑張っちゃいますよ。

池田:太腿系で言えば、戦隊シリーズの第1作『秘密戦隊ゴレンジャー』(1975~1977年、テレビ朝日系)のモモレンジャーこと小牧リサさん。身近な女の子は頼んでも誰も穿いてくれなかった、ホットパンツ姿を見せてくれた。

──むっちりした太腿こそ「モモレンジャー」の由来になったとご自身も言っていますね。

なべ:ミニスカのパンチラシーンも多かったですけど、『人造人間キカイダー』(1972~1973年、テレビ朝日系)の光明寺ミツ子(水の江じゅん)は、今で言う“見せパン”じゃなくて、完全に自前のパンツだったと主演の伴大介さんに聞いたことがあります。よい時代です。現場で撮影を見たかったなあ。

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