スポーツ

羽生結弦、孤独だった高校時代 やっかみも意に介さず

「孤独」と向き合っていた高校時代

「孤独な木は、仮に育つとすれば、丈夫に育つ」とは、イギリスの名宰相チャーチルの言葉だ。寄り集まって「森」を作るほうが、生存のためには有利に違いない。「荒野」で芽吹いても、多くは生き残れない。しかし、たった1本で立ち、寒暖や風雨という悪条件に耐えて成長したなら、森で育った木とは違った、「特別な木」になる──。

「『(孤独は)ある』と言ったほうがおもしろいですかね?(笑い)なくはないです。以前は『すごく孤独だな』『誰もわからないだろうな、この気持ち』と思いながらやっていました」

 史上最年少での国民栄誉賞が検討され、平昌五輪での連覇のフィーバーの余波が続く羽生結弦(23才)は2月27日、日本記者クラブでの会見でこう語った。記者からの「孤独感はあるか」「どう向き合っているのか」という質問に、羽生は冗談を交え、どこかサバサバした表情で答えた。

 小学生の頃を知る知人はこう語る。

「いつもニコニコしているし、愛想はいいんです。でも、とにかくビッグマウスで、“カッコつけ”だの、“ナルシスト”だのと言われ、友達は多くなかった。むしろ、彼は“嫌われてもいいや”ぐらいに思っていたように思います」

 幼い頃から図抜けたトップスケーターだった羽生が「孤独」であり、「孤高」でなかったはずがない。しかし、羽生にとって孤独は、苦痛ではなかったのかもしれない。高校時代の同級生が言う。

「学校で笑顔を見たことはほとんどありません。友達も全然いなくて、授業のノートを見せ合ったりして仲がいいなという印象だったのは、野球部の男子1人と陸上部の女子1人ぐらいでした。むしろ、友達をつくろうという気もなさそうな感じ。今でも連絡を取り合う高校の同級生は、その2人ぐらいじゃないですか」

 羽生が通った高校は、スポーツの名門高校として知られる東北高校(仙台市)だ。ダルビッシュ有や宮里藍が卒業生で、優秀なスポーツ選手は多いが、羽生は当時からレベルが違った。

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン