◆福田元総理の反旗
安倍首相のお膝元の最大派閥・細田派でも反安倍の動きが浮上した。政界引退後もなお同派に隠然たる影響力を持つ福田康夫・元首相が最近、積極的にメディアに登場して安倍政治に異を唱えている。
2月28日、都内で開催した講演では憲法9条改正について、「改正しなければいけないというのが先にきている。中身より通りやすいものでという感じになってしまっている。本当に良いのかという気がする」──そう語って首相の前のめりの改憲姿勢に水を浴びせた。そして総裁選について、「しっかりした人が出てこないんだったら3選でも4選でもしたらいい」と突き放した。
一連の森友問題については露骨に嫌悪感を見せた。
「各省庁の中堅以上の幹部は皆、官邸(の顔色)を見て仕事をしている。恥ずかしく、国家の破滅に近づいている」(昨年8月)
「国家の記録を残すということは、国家の歴史を残すということ。その時の政治に都合の悪いところは記録に残さないとか、本当にその害は大きい」(昨年12月)
そう役所の対応に容赦ない言い方をしてきたが、それでも改まらないことから、ついに憲法改正という安倍政治の本丸に公然とNOを突きつけたのだ。