◆全面戦争が始まる
「官僚を黙らせる」ために新・省庁再編にゴーサインを出した安倍首相だが、官僚に責任を押し付ける姿勢が霞が関全体の怒りを買った。分割対象に名前が挙げられている経済官庁の局長級幹部が語る。
「官邸を裏で牛耳る経産官僚が、この機に省庁再編の主導権を握って総理に行革を吹き込み、権限拡大を図ろうとしているのは明らか。他省はそう見ている。そんな動機で省庁再編をやるというなら、官僚は官邸を信用して仕事ができない。もう総理への忖度は無用になった。財務省を先頭に、間違いなく内閣を潰しにかかるでしょう」
事実、各省が自らの恥部を晒してでも政権にダメージを与える“自爆テロ”を激化させたのは省庁再編の方針が打ち出されてからだ。
防衛省は1年間もPKO活動の日報を隠していた問題をいきなり公表し、改竄問題に揺れる財務省は森友学園に売却した小学校用地のゴミ問題について理財局が「口裏合わせ」を要求していたと国会で認めた。
霞が関と安倍官邸が全面戦争に突入し、官邸に火の手が上がっていった。細田派議員は、「政権の致命傷になる」と心配する。