国際情報

トランプ大統領が金正恩委員長に「クビ!」を宣告する日

米朝会談、円満には終わらない可能性も(UPI=共同)

 かつてホストをつとめたリアリティ番組で「You’re fired(お前はクビだ)」という決めゼリフが人気を集めたドナルド・トランプ米大統領は、政治もビジネスと同じセンスを曲げずに突き進んでいるように見える。6月上旬までに予定されている史上初の金正恩委員長との米朝首脳会談は、その“トランプ流”外交でどのような展開をみせるのか。経営コンサルタントの大前研一氏が分析する。

 * * *
“トランプ流”の交渉とは何か。それは極めて単純だ。トランプ大統領は“不動産業を営むローカルなファミリー企業の社長”であり、一発勝負のネゴシエーターである。だから北朝鮮との交渉でも過去のノウハウを応用し、自分が行って“小さなロケットマン”に一発かませば、相手は言うことを聞くはずだ──という発想なのである。

 彼は、前任者が成し得なかった北朝鮮の非核化を自分のディール(取引)で実現した、と今年11月の中間選挙でアピールしたいだけなのだ。

 対する金正恩委員長は、韓国特使団との会談で「非核化の用意がある」と言明したとされる。これをトランプ側は、北朝鮮が核・ミサイル開発を停止し、不可逆的に核兵器を放棄するという意味だと考えている。

 だが、北朝鮮側の「非核化」の対価は、在韓米軍の撤退だろう。つまり、自分たちが核・ミサイル開発をやめる代わりに、核保有が想定される在韓米軍も同時に撤退するということだ。あるいは、中国と歩調を合わせて、非核化は米韓合同軍事演習の中止や米軍削減とバーターだと主張する可能性もある。

 実際、金正恩委員長は習近平主席との会談で「米韓が我々の努力に善意で応え、平和の実現に向け段階的な措置をとれば非核化の問題は解決できる」と主張したと報じられている。しかし、そんな条件をトランプ大統領が飲むはずがない。

関連記事

トピックス

ドラフト1位の大谷に次いでドラフト2位で入団した森本龍弥さん(時事通信)
「二次会には絶対来なかった」大谷翔平に次ぐドラフト2位だった森本龍弥さんが明かす野球人生と“大谷の素顔”…「グラウンドに誰もいなくなってから1人で黙々と練習」
NEWSポストセブン
渡邊渚さん(撮影/藤本和典)
「私にとっての2025年の漢字は『出』です」 渡邊渚さんが綴る「新しい年にチャレンジしたこと」
NEWSポストセブン
ラオスを訪問された愛子さま(写真/共同通信社)
《「水光肌メイク」に絶賛の声》愛子さま「内側から発光しているようなツヤ感」の美肌の秘密 美容関係者は「清潔感・品格・フレッシュさの三拍子がそろった理想の皇族メイク」と分析
NEWSポストセブン
2009年8月6日に世田谷区の自宅で亡くなった大原麗子
《私は絶対にやらない》大原麗子さんが孤独な最期を迎えたベッドルーム「女優だから信念を曲げたくない」金銭苦のなかで断り続けた“意外な仕事” 
NEWSポストセブン
国宝級イケメンとして女性ファンが多い八木(本人のInstagramより)
「国宝級イケメン」FANTASTICS・八木勇征(28)が“韓国系カリスマギャル”と破局していた 原因となった“価値感の違い”
NEWSポストセブン
実力もファンサービスも超一流
【密着グラフ】新大関・安青錦、冬巡業ではファンサービスも超一流「今は自分がやるべきことをしっかり集中してやりたい」史上最速横綱の偉業に向けて勝負の1年
週刊ポスト
今回公開された資料には若い女性と見られる人物がクリントン氏の肩に手を回している写真などが含まれていた
「君は年を取りすぎている」「マッサージの仕事名目で…」当時16歳の性的虐待の被害者女性が訴え “エプスタインファイル”公開で見える人身売買事件のリアル
NEWSポストセブン
タレントでプロレスラーの上原わかな
「この体型ってプロレス的にはプラスなのかな?」ウエスト58センチ、太もも59センチの上原わかながムチムチボディを肯定できるようになった理由【2023年リングデビュー】
NEWSポストセブン
12月30日『レコード大賞』が放送される(インスタグラムより)
《度重なる限界説》レコード大賞、「大みそか→30日」への放送日移動から20年間踏み留まっている本質的な理由 
NEWSポストセブン
「戦後80年 戦争と子どもたち」を鑑賞された秋篠宮ご夫妻と佳子さま、悠仁さま(2025年12月26日、時事通信フォト)
《天皇ご一家との違いも》秋篠宮ご一家のモノトーンコーデ ストライプ柄ネクタイ&シルバー系アクセ、佳子さまは黒バッグで引き締め
NEWSポストセブン
ハリウッド進出を果たした水野美紀(時事通信フォト)
《バッキバキに仕上がった肉体》女優・水野美紀(51)が血生臭く殴り合う「母親ファイター」熱演し悲願のハリウッドデビュー、娘を同伴し現場で見せた“母の顔” 
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組の抗争相手が沈黙を破る》神戸山口組、絆會、池田組が2026年も「強硬姿勢」 警察も警戒再強化へ
NEWSポストセブン