「センターでは、受け入れ先となる福祉施設などを探すほかに、実際に受け入れが実現した施設に対して必要な助言を行なうフォローアップ業務や、出所した本人からの相談を受ける業務も行ないます。
特別調整を利用する6割以上が65歳以上の高齢者ですが、知的障害や精神障害があるのに、これまで医療を受けてこなかったケースも多い。こうした身寄りのない方々を適切な社会福祉につなげていく業務です」
特別調整での受け入れ先は「養護老人ホームや低額のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)など終身で入れる施設がほとんど」(前出・府中刑務所の福祉専門官)だという。ただ、“シャバ”の生活は“塀の中”よりも厳しいという現実もあるようだ。それゆえ「再犯」という問題も浮上する。
■取材/末並俊司、高橋ユキ
※週刊ポスト2018年5月25日号