国内でいえば、2015年11月に渋谷区と世田谷区で始まった前出の同性パートナーシップ制度は、三重県伊賀市や沖縄県那覇市、北海道札幌市などにも拡がり、現在では全国で130組を超えるカップルがパートナーとなっている。日本人におけるLGBTの割合は約8%、13人に1人だとされる。
何かに導かれるように人生が交錯したふたりは、共通の友人の紹介で2016年初旬、初めて顔を合わせた。その後、増原さんは勝間さんの自宅での食事会や、勝間さんが講師を務める「勝間塾」にも顔を出すようになった。
それまでLGBTについてあまり詳しくなかったという勝間さんは、増原さんに誘われていろいろなイベントに参加するように。なかでも大きな経験となったのは、2016年5月に行われた国内最大規模のLGBT関連イベント「東京レインボープライド」への参加だった。開放的で楽しそうに渋谷の街をパレードする参加者を見て、勝間さんは大きな感銘を受けたという。
「沿道でパレードを眺めていたら、衆議院議員の細野豪志さんに、“見てるだけじゃダメだ。一緒に歩こう”と声をかけていただいて。たまたま隣にいた世田谷区議の上川あやさんを見て、“キレイな女の人だな”と思っていたら、“もともとは男性だったんですよ”と言われてビックリしたり。パレードがLGBTの世界と接する大きなきっかけでした」
◆お母さんが選んだことならば
これまで知らなかった新しい世界を知るとともに、勝間さんの内面に変化が生じた。レズビアンであることを包み隠さず、生き生きと活動する増原さんに次第に心が惹かれていったのだ。