テレビ朝日広報部に、「アンケート結果をどう考えているか」「普段行っているセクハラ・パワハラ対策」「ボディタッチなどのセクハラを現在進行形で受けている被害についての対応」などを問うた。以下、回答全文を掲載する。

〈労働組合が独自に行ったアンケート調査であり、調査結果についての個別具体的なお答えは控えさせていただきます。調査結果は従業員の声として受け止め、今後のハラスメント対策の参考にしていきます。

 セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント対策については、プライバシーに配慮したハラスメント・ホットライン(通報窓口)を設け、通報に対応しています。また、毎年発行するコンプライアンスハンドブックを使った職場ごとの研修、コンプライアンスセミナーの実施、就業規則における懲戒規定などの対策を講じています。前財務事務次官によるセクハラ問題を受けて、現在、社内の特別チームがセクハラ・パワハラ対策について総合的に検討しており、その結論を踏まえ、さらに対策を進めていきます。

 現在の具体的なハラスメント被害については把握していませんが、対応すべきものがあれば、適切に対応してまいります。〉

 では、組合側はどう捉えるか。テレビ朝日労働組合に「アンケートを行った目的」「社内・社外関係者からのセクハラについての見解、対策」「今後、会社側へどんな働きかけを行っていくか」などを聞いた。こちらも回答全文である。

〈今回のアンケート調査は、労働組合として会社に労働環境改善を求めていくうえで、ハラスメントに関して過去も含めて実態を把握するために実施したものとなります。アンケート調査は率直に記入してほしいため個人や職種が特定されない無記名で行いました。ハラスメントについては、労働組合としても看過できない問題として捉えています。アンケート調査の結果を組合員の声として会社に伝え、労働環境改善に向けた対策の一助になればと考えています。

 労働組合は、会社が設置している相談窓口とは別のものとして、「会社には直接相談しにくい」、「まわりに相談できる人がいない」など会社の窓口に相談するのをためらう組合員のための相談窓口の役割を担っている認識でいます。

 今回のアンケートでは、過去の被害も含めて全てを受け止めることで、今まで相談できなかった組合員や相談をためらっていた組合員に対して、労働組合は全てを受け止め真摯に対応するというメッセージも込めています。

 今後、労働組合の窓口が相談しやすいものとするために、情宣等の対策がさらに必要だと感じています。労働組合としては、「ハラスメントがない会社」を実現したいと考えており、会社も同じ方向を向いていることを確認しています。今後も組合員の声を大事にしながら、会社の動向を注視しつつ、協議していくことが必要だと考えています〉

 テレビ朝日は、一般的な企業で働く女性の“2倍”というセクハラ被害の蔓延に一刻も早く手を打つ必要があるだろう。

※労働政策研究・研修機構の「妊娠等を理由とする不利益取扱い及び セクシュアルハラスメントに関する実態調査結果」(2016年5月)より。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン