国際情報

カジノ上客の中国人富裕層、目的は遊戯でなくマネロン

カジノに過度な期待は禁物か(Imaginechina/AFLO)

 安倍政権が成長戦略と位置付ける“民営ギャンブル”が動き出した。カジノを含む「IR(統合型リゾート)実施法案」が衆議院で可決され、経済成長を促すことが期待されているが、大前研一氏は「カジノが経済を活性化させることはない」と考えている。大前氏が解説する。

 * * *
 安倍首相はカジノを成長戦略の目玉と位置付けているが、それは大間違いだ。そもそもカジノは「VIPルーム」がなければ成立しないビジネスだ。カジノには安い掛け金で誰でも遊べる「平場」のエリアと、最低賭け金が1000ドルにもなるVIPルームがある。収益の大部分を稼いでいるのは、バカラで100億円以上負けた大王製紙の創業家3代目のようなハイローラー(高額な賭け金で遊ぶギャンブラー)を相手にする後者である。

 私はマカオとシンガポールのカジノ関係者に話を聞いたが、どちらもカジノ全体の収益の85%はVIPルームが占めていると言っていた。つまり、掛け金が安い平場のエリアは賑々しく見せるためのショーケースにすぎず、そこから上がる収益はカジノ全体から見れば取るに足らないのだ。

 しかも、マカオとシンガポールのカジノには特殊な事情がある。VIPルームの“上客”の大半は中国人富裕層だが、彼らの目的は遊戯ではなく「マネーロンダリング(資金洗浄)」だということだ。

 中国では共産党が農民からタダ同然で収奪した土地を高収益の見込める商業地に転換し、その差額を地方政府が稼いでいる。農地を商業地にする開発事業を請け負うデベロッパーは、便宜を図ってくれる地方政府の役人に賄賂を渡さなければならない。

関連記事

トピックス

峰竜太(73)(時事通信フォト)
《3か月で長寿番組レギュラー2本が終了》「寂しい」峰竜太、5億円豪邸支えた“恐妻の局回り”「オンエア確認、スタッフの胃袋つかむ差し入れ…」と関係者明かす
NEWSポストセブン
2025年11月には初めての外国公式訪問でラオスに足を運ばれた(JMPA)
《2026年大予測》国内外から高まる「愛子天皇待望論」、女系天皇反対派の急先鋒だった高市首相も実現に向けて「含み」
女性セブン
夫によるサイバーストーキング行為に支配されていた生活を送っていたミカ・ミラーさん(遺族による追悼サイトより)
〈30歳の妻の何も着ていない写真をバラ撒き…〉46歳牧師が「妻へのストーキング行為」で立件 逃げ場のない監視生活の絶望、夫は起訴され裁判へ【米サウスカロライナ】
NEWSポストセブン
東条英機・陸軍大将(時事通信フォト)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最低の軍人」ランキング ワースト1位はインパール作戦を強行した牟田口廉也・陸軍中将 東条英機・陸軍大将が2位に
週刊ポスト
昭和館を訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年12月21日、撮影/JMPA)
天皇ご一家が戦後80年写真展へ 哀悼のお気持ちが伝わるグレーのリンクコーデ 愛子さまのジャケット着回しに「参考になる」の声も
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
《ジャンボ尾崎さん死去》伝説の“習志野ホワイトハウス豪邸”にランボルギーニ、名刀18振り、“ゴルフ界のスター”が貫いた規格外の美学
NEWSポストセブン
西東京の「親子4人死亡事件」に新展開が──(時事通信フォト)
《西東京市・親子4人心中》「奥さんは茶髪っぽい方で、美人なお母さん」「12月から配達が止まっていた」母親名義マンションのクローゼットから別の遺体……ナゾ深まる“だんらん家族”を襲った悲劇
NEWSポストセブン
シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン