──これがいままでやってないことだ、と。
永井:全部やってないことだし、じゃあ赤塚先生がやっちゃだめって言った色恋沙汰、エッチなことと残酷シーン。これは全部これからの自分の漫画に入れてやろうと思って。
──まさに『ハレンチ学園』ですよね。
永井:そうそう。だから残酷シーンは現代ものなんで入れられないんで、恋愛とエロチックをいちおう入れ込んでやろうと思って。
──『ハレンチ学園』も残酷になりますよ!!
永井:最後はそうなっていきますけどね。もっと新しい漫画も描きたいし、終わらせたいんだけど編集者は終わらせてくれないからどうしたらいいかと考えて。で、ずっとやっつけられてたからPTAの皆様方もパロディ化して、教育軍団みたいなのに漫画で仕返ししてやろうってことで、描きだしたらおもしろくなっちゃって。自分でエスカレートして、この勢い止められないって、どんどん登場人物を死なせだして。
──ギャグ漫画ではありえない展開ですよ!!
永井:最初は編集は「おもしろい、おもしろい」と言ってたんだけど、いろんなやつが死んでいくから、「ちょっとこれやばいですけど、どうなるんですか?」って言われて、「連載が終わるかもしれません」って言ったら「えー!!」って大騒ぎになって(笑)。あのハレンチ大戦争で「終わった終わった、もうやめた」と思ったんだけどやめさせてくれなくてね。「続きをやってください」って日参されるから仕方なくやって。『ハレンチ学園』の大変なバッシングの中で、編集長もすごい苦労しながら頑張ってたのわかってるし、断れないみたいなところもあったしね。
でも、赤塚先生にストップかけられなかったら、僕はギャグ漫画はすぐにやめてストーリー漫画に転向しようと思ってたんです。だけど、赤塚先生のことがあったんで、これはおもしろいなと思っちゃって、自分のこと怖がってるんだったら自分にはギャグの才能あるかもしれないとも思ったので、少しギャグを続けていってやろうと思ってね(笑)。ついでに赤塚先生も追い詰めてみようと思って。