2014年に韓国・仁川で開催された前回のアジア大会を振り返ると、当時もTBSが連日の生中継をしていました。主な放送時間は17時30分~22時54分までの約5時間30分。今大会の中継は19日~24日が約3時間30分、25日~30日は約5時間ですから、実は縮小されているのです。
これには大会日程も関係しています。2014年の開催期間は9月19日~10月4日であり、テレビ業界にとっては改編期のタイミング。通常は特番を放送しているところにアジア大会の中継をあてはめればいいため、大勢に影響はありませんでした。
一方、今大会は8月18日~9月2日であり、レギュラー番組を休まなければいけないほか、連ドラにとっては物語が佳境に入る重要な時期。できるだけ悪影響が出ない形を考えて、アジア大会の放送時間を設定していることが推察されます。
東アジアで開催することの多いアジア大会は距離が近く、時差も少ないため、テレビ局にとっては編成、中継、視聴率のすべてで計算のしやすいコンテンツ。『東京オリンピック2020』後に開催される2022年の中国・杭州大会はもちろん、2026年に予定されている愛知・名古屋大会もTBSが中継し、今大会以上の盛り上がりを見せるのではないかと今から期待してしまいます。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。