「ストレスはがんの原因になるといわれていますが、がんを治療する際にも悪い影響を与えます。がんに対して過剰に不安になってしまったり、“絶対に治すんだ”と気合を入れすぎると、緊張が高まって交感神経が優位になって免疫力が落ちてしまう。
免疫力はリラックスして副交感神経が優位になっている時によく働いてくれるのです。樹木さんは、ご自身が重篤な状態であっても仕事を続け、私たちが見る限りは平常心を保ち、周りを笑わせるようなユーモアを示しておられました。このようなリラックスした状態が、がんの進行を遅らせていたのではないかと思います」
西脇さんによれば、笑うこと自体も、がんに効果があるという。
「『笑療法』という治療法もあるように、笑って過ごすことはとても大切です。それでがんが消えたという話もあるほどですから。そんなに笑えないというかたは嘘笑いでもいいし、ニコッとするだけでもかまいません。笑うと免疫のコントロール機能を司っている間脳が作動し、がん細胞を攻撃するNK細胞が活性化するといわれているからです」
樹木さんは2016年12月、本誌のインタビューで、《これからはがんや病気と一緒に生きていく時代ですよ》と答え、自身のがん闘病についてもこう語っていた。
《大丈夫じゃないけど、だいたい、これ(がん)をやっつけようとかって思わないのよ。「がんと真剣に向き合って」とかも思わない》
乳がん発症から14年、樹木さんはがんに克ったといっていいだろう。
※女性セブン2018年10月4日号