これによって、タレントとしての人気は下降していく。芸能人・田原俊彦としては、マイナスだった。同時に、マスコミに追われることはほぼ消滅する。人間・田原俊彦としては、プラスだった。
◆「ビッグ発言」を経て何が変わったか
今まで、“1994年以降の田原俊彦”はテレビに出なくなったマイナス面ばかりを取り上げられてきた。
しかし、1980年代にテレビで存分に力を発揮した男にとって、世間やマスコミから監視されず、娘に目一杯の愛情を注げる“自由な生活”はこの上ない幸せだった。
2014年8月23日放送のCS『TOSHI’s SHOW 80’s』(フジテレビNEXT)では、ゲストのアルフィー・高見沢俊彦に「俺の中で印象に残っているのは『ビッグ発言』。あれから、憑き物が落ちたように感じた」と聞かれ、こう答えている。
〈僕の中ではね、一番こう、楽になったというか、縛られていた『田原俊彦ってこうじゃなきゃいけない』みたいなところから、フリーになった感じが。すごくね、人間に近づけたというか、そういう意味ですごく楽になったというか、面白いなと〉
人は得てして、自分の評価軸、自らの数少ない経験、世間体などから他人の幸せまでを勝手に判断しがちだ。しかし、幸せの定義は一人ひとり違うものであり、他人が決めるものではない。
幸せの感じ方は人それぞれ。良いも悪いもない。田原俊彦のように他人の無責任な評価に振り回されることなく、自分の基準をしっかり持って生きればいい。そんなことを考えされられた『有吉ゼミSP』だった。