常に第一線で活躍し続け、漫画界ではすでに大御所であった国友氏だったが、常に好奇心旺盛で、作品の題材集めの取材に情熱を注いでいた。『×一(バツイチ)』の元担当編集者が語る。
「主人公の三田村洋介は“たった一夜の浮気のせいで離婚する”という設定からストーリーが始まるのですが、これは当時の担当だった私のプライベートがモデルになっていました。打ち合わせで話した私の体験を大きくふくらませて、より面白く、より刺激的な形で漫画にする才能にはいつも驚かされ、尊敬していました」
遺作となった『愛にチェックイン』でも、作画の合間を見つけてはホテル関係者や、舞台となる土地の出身者への取材を重ねていた。
長く本誌にご尽力いただいたことに御礼申し上げるとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
※週刊ポスト2018年10月12・19日号