「対立する『3つの山口組』の間では、熾烈な引き抜き合戦が続いています。六代目側が作成したと考えられるこの名簿は、“大物がこちらに移籍してきている”という戦果を誇示するためのものでしょう。
大規模な抗争を起こせば、警察による厳しい取り締まりの口実となるため、2015年8月に六代目と神戸が分裂した当初から、メディアなどを通じて、“自らが優勢である”とアピールする情報戦が繰り広げられてきた。今回の名簿には、六代目側が、任侠側に対してさらなる移籍を促し、圧力をかける目的があると考えられます」
六代目側は、分裂から3年の節目にあたる今年8月いっぱいを期限として、神戸側、任侠側からの“出戻り”を認めるという内部通達を出していたとされるが、期限後も切り崩し工作は続いているようだ。
「神戸側もその動きを察知しているので、これまで以上に“任侠山口組切り崩し”に注力することになる。任侠が草刈り場と化して先細りすれば、三すくみの構図が崩れ、六代目と神戸の対立が先鋭化する恐れもある。それぞれの本拠地や本部のある名古屋と神戸、淡路では、警戒を強める必要がある」(捜査関係者)として当局は注視しているという。
膠着状態に見えた対立構図が、新たな局面を迎えようとしている。
※週刊ポスト2018年10月26日号