芸能

主人公が弁護しない『リーガルV』も!○○しない連ドラが流行

米倉が演じるのは資格を剥奪された元弁護士

 米倉涼子主演で話題を集めている連続ドラマ『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』(テレビ朝日系)。弁護士資格を剥奪された元弁護士の小鳥遊翔子(米倉)が、さまざまな難題を解決していく法廷ドラマ。この作品をはじめとして最近、ある設定のドラマが増えている。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 初回から視聴率15.0%、18.1%、15.9%(ビデオリサーチ、関東地区)と今秋トップの数字を叩き出している『リーガルV』。そのタイトルからわかるように、同じ米倉涼子さん主演の大ヒット作『ドクターX~外科医・大門未知子~』を踏まえて作られていることは明らかです。

 米倉さんの演じる役柄は、『ドクターX』が外科医だった一方、『リーガルV』は“元”弁護士という設定。大門未知子は外科医として手術を見せ場にしていましたが、元弁護士の小鳥遊翔子は見せ場であるはずの法廷で弁護するシーンはありません。その代わりに、弁護士の青島圭太(林遣都)や京極雅彦(高橋英樹)、パラリーガルの馬場雄一(荒川良々)、伊藤理恵(安達祐実)、茅野明(三浦翔平)を操って問題解決に挑む姿が好評を博しているのです。

 つまり、「弁護士ドラマなのに主人公が弁護しない」という異色の作風がウケているということ。現在放送中の『SUIT/スーツ』(フジテレビ系)のほか、『99.9 –刑事専門弁護士-』(TBS系)、『グッドパートナー 無敵の弁護士』(テレビ朝日系)、『リーガルハイ』(フジテレビ系)などのヒット弁護士ドラマは、主人公の弁護が見せ場となっていただけに、その差は歴然です。

◆ひそかに連ドラで流行っていた「〇〇しない主人公」

 ただ、「弁護しない元弁護士」のような「〇〇しない主人公」は、『リーガルV』だけではありません。連ドラでひそかに流行しつつある切り口なのです。

 前期も、小児外科を舞台にしながら「手術しない小児外科のレジデント(研修医)」が主人公の『グッド・ドクター』(フジテレビ系)、産婦人科を舞台にしながら「医療行為に携われないアルバイト看護助手」が主人公の『透明なゆりかご』(NHK)、母と娘のホームドラマながら「子どもを産まない義母」が主人公の『義母と娘のブルース』(TBS系)、デジタル遺品の抹消というテーマながら「死亡確認のために外出しないプログラマー」が主人公の『dele』(テレビ朝日系)が放送されました。

 また、春にも主人公の相棒ではあったものの、「外出捜査をしない刑事」の活躍を描いた『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)が放送されましたし、昨年放送された『貴族探偵』(フジテレビ系)も「推理しない探偵」が主人公でした。

 連ドラの制作サイドが「〇〇しない主人公」を狙い撃ちしているのは間違いありませんし、米倉涼子さんという大物女優や、山崎賢人という旬の若手俳優を起用していることから、「変化球で目先を変える」というより、「直球で真っ向勝負」しているようにも見えます。

 なぜ本来の見せ場を生かせない設定の「〇〇しない主人公」が描かれ、好評なのでしょうか。

◆弁護士、医師、刑事の3大ジャンルに集中

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン