芸能

『まんぷく』の“朝ドラ送り” 高瀬アナだけではなく関西でも!

”朝ドラ送り”が話題の高瀬耕造アナ(公式HPより)

 安藤サクラ主演で、好調が続くNHK連続テレビ小説『まんぷく』。ドラマの内容以外にも、注目を集めているのが同局の高瀬耕造アナらが、『NHKニュース おはよう日本』で、放送直前の『まんぷく』についてコメントする“朝ドラ送り”。その魅力についてコラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 連日『あさイチ』で博多華丸・大吉と近江友里恵アナの“朝ドラ受け”が注目を集め、ネットメディアやSNSでも話題となるなど、朝ドラとの連続視聴が定番化しています。

 一方で、昨年からチラホラ話題になりはじめているのが、『NHKニュース おはよう日本』の高瀬耕造アナ、和久田麻由子アナ、豊原謙二郎アナ、酒匂飛翔アナらが7時59分ごろにコメントする“朝ドラ送り”。特に高瀬アナは、かつて昼の朝ドラ再放送直後でニュースを担当し、「朝ドラのラストシーンに笑顔や厳しい顔をリンクさせている」「“昼ドラ受け”の高瀬アナ」と言われただけに、昨春の『おはよう日本』キャスター就任から注目を集めていました。

『まんぷく』の1週目は1話の「台風も暑さもお腹いっぱいですね。『まんぷく』です」という1回のみ。2週目の“朝ドラ送り”は3回に増えたものの、3週目は1回、4週目は2回、5週目は1回にトーンダウンしましたが、放送2か月目に入った6週目は4回と本格化しつつあります。

 高瀬アナらが見せる『おはよう日本』の“朝ドラ送り”は、『あさイチ』の“朝ドラ受け”と、どんなところが異なり、どんな魅力や難しさがあるのでしょうか?

◆制約の中で見せる旺盛なサービス精神

“朝ドラ送り”の主な狙いは、「視聴者の期待感を高める」ことであり、アナウンサーたちがコメントするため、物語に関するベタなものになりがちです。また、CMや番宣を挟まず、いきなり朝ドラがはじまるため、視聴者の集中力をそぐリスクのあるコメントは避けなければいけません。

 対して“朝ドラ受け”の主な狙いは、「視聴者の満足感を高める」こと。芸人の博多華丸・大吉が担当しているだけあって、思い切ったウケ狙いのコメントが可能です。

 ただ高瀬アナは、すでに1年半もの間“朝ドラ送り”をしてきただけに、徐々に「ベタながらも視聴者を楽しませよう」というサービス精神がアップ。

 21話で「(すでに亡くなった)咲姉ちゃんが割とたびたび出てきてくれるんですよね。これを“『わろてんか』現象”と勝手に呼んでます」、25話で「(劇中で登場した)『べっちょ』という言葉は亡くなった私の祖母が『大丈夫だよ、心配ないよ』と(いう意味で)よく使ってたんですよね。今日がべっちょな一日になりますように」、31話で「家族は早い段階で離ればなれになるんですけど、ヒロインのお母さん・すずさんはついてきます。だって武士の娘ですから」などのユーモアあふれるコメントを披露し、“わろてんか現象”はTwitterのホットワードにもなりました。

『おはよう日本』は報道・情報番組のため、「朝ドラの話題ばかりではなく、天気や交通情報などの呼びかけ、体調への配慮などに関するコメントもしなければいけない」のも難しさの1つ。また、番組冒頭の“朝ドラ受け”は時間調整が利きやすいのに対して、「番組最後の“朝ドラ送り”は時間調整が利きにくい」という技術的な難しさもあります。

 つまり、「今日なら“朝ドラ送り”ができる」という日を見極め、「その日の時間進行に合わせて言葉を選んでいる」ということ。コメントやフレーズ選びの的確さも含めて、百戦錬磨のアナウンサーだからこそ可能なコーナーなのです。

◆『おはよう関西』の“朝ドラ送り”も負けていない

関連記事

トピックス

和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
松竹芸能所属時のよゐこ宣材写真(事務所HPより)
《「よゐこ」の現在》濱口優は独立後『ノンストップ!』レギュラー終了でYouTubeにシフト…事務所残留の有野晋哉は地上波で新番組スタート
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
犯人の顔はなぜ危険人物に見えるのか(写真提供/イメージマート)
元刑事が語る“被疑者の顔” 「殺人事件を起こした犯人は”独特の目“をしているからすぐにわかる」その顔つきが変わる瞬間
NEWSポストセブン
早朝のJR埼京線で事件は起きた(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」に切実訴え》早朝のJR埼京線で「痴漢なんてやっていません」一貫して否認する依頼者…警察官が冷たく言い放った一言
NEWSポストセブン
降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン