民放各局に目を向けてみると、『おはよう日本』が“朝ドラ送り”している時間帯は、いずれも情報番組が生放送されている激戦区。8時スタートの番組までCMを挟まずに、占い、天気予報、各番組のキャスターがクロストークを行うなど、それぞれチャンネルを変えられない工夫を凝らしています。
熾烈な競争があるからか、『おはよう日本』のキャスターたちは「少しでも盛り上げよう」と必死。たとえば、「高瀬アナの言葉に、和久田アナがツッコミ、酒匂アナが戸惑う」など、残り1秒までアドリブや素のリアクションをベースにした楽しげなかけ合いを見せています。
NHKのアナウンサーと言えば、アナウンスだけでなく、人柄も「真面目で堅実」というイメージがあるだけに、多少の喜怒哀楽が顔に出る“朝ドラ送り”は貴重な姿。これまで“朝ドラ送り”は週平均2回程度でしたが、人気の高まりを受けてどこまで増えていくのか、注目してみてはいかがでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。