国内

逃走23日間に何を?「松山の脱獄囚」から届いた手紙の壮絶

平尾龍磨受刑者(共同通信社)

 フェンスを乗り越え、海を泳ぎ、民家の屋根裏に潜伏──今年4月、映画のような脱獄劇を繰り広げた、松山刑務所の平尾龍磨受刑者(27)。捜査員1万5000人と警察犬16匹の目をかいくぐり、23日間にわたって世を騒がせた当人から、壮絶な逃走生活を克明に綴った手紙が届いた。ジャーナリストの高橋ユキ氏が報告する。

 * * *
 B5サイズの便箋14枚には、隙間なく小さな文字が埋められている。

〈前略 ご返事を差し上げるのが遅れて申し訳ございません〉
〈ボールペンで手紙を差し上げるのが礼儀だと思いますが、なぜか書いている途中でインクが途切れたりして失礼な文字になってしまうので、シャーペンで書いています。お許し下さい〉

 へり下った文面と丁寧な筆致は、世を騒然とさせた犯罪者像とは程遠い。

 今年4月に松山刑務所大井造船作業場(愛媛県今治市)から脱獄、23日間にわたり逃走を続けた平尾龍磨受刑者から手紙が届いたのは、10月上旬のことだった。

〈私のことは気になさらず、どんなことでも聞いてもらって大丈夫です〉

 出所まであと1年半の模範囚だった彼は、なぜ脱獄し、どう逃げたのか。手紙の中で明かした23日間の模様は、壮絶の一言に尽きる。

◆〈大井は腐っていました〉

関連キーワード

関連記事

トピックス

(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
「運転免許証偽造」を謳う中国系業者たちの実態とは
《料金は1枚1万円で即発送可能》中国人観光客向け「運転免許証偽造」を謳う中国系業者に接触、本物との違いが判別できない精巧な仕上がり レンタカー業者も「見破るのは困難」
週刊ポスト
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
“最もクレイジーな乱倫パーティー”を予告した金髪美女インフルエンサー(26)が「卒業旅行中の18歳以上の青少年」を狙いオーストラリアに再上陸か
NEWSポストセブン
大谷翔平選手と妻・真美子さん
「娘さんの足が元気に動いていたの!」大谷翔平・真美子さんファミリーの姿をスタジアムで目撃したファンが「2人ともとても機嫌が良くて…」と明かす
NEWSポストセブン