国内

発見率80%のペット探偵に密着24時、行方不明動物の探し方

動物の生態を熟知するペット探偵

 10月某日月曜の午後3時。迷子ペットの捜索・相談を行っている『ジャパンロストペットレスキュー』に1本の電話が入った。内容は、3日前に都内でいなくなったという三毛猫に似た猫がいると、ビラを見た人が電話をしてくれたのだ。

 代表理事の遠藤匡王さん(42才)は、落ち着いた口調で、電話主に語りかける。

「今、周りには何が見えますか? その猫ちゃん、首輪はしていますか?」

 など、状況や特徴を詳しく聞き出す。電話を切るとすぐに、捜索中のスタッフに現場に向かうように指示を出し、飼い主に電話をかける。

「似た猫ちゃんがいるという情報がありました。捜している子だといいですね」

 遠藤さんは、明るい声で電話を切った。

◆圧倒的に多いのが猫の迷子

 ペット探偵とは、行方不明になった猫や犬などの動物の捜索依頼を受けて捜す仕事。依頼の8割は猫で、残りの2割が犬だが、まれに、鳥やウサギ、フェレット、蛇、亀などの小動物の相談も来る。

「猫はすばしっこく、跳躍力もあり、狭いすき間からも逃げられます。柵を作っても、それを飛び越えて、網戸を上手に開ける子もいて、逃げる確率が犬より高いんです。その代わり、捕まえやすいのは猫の方です」(遠藤さん・以下同)

 犬は長距離走に強く、小型犬でも一晩で5km以上も移動するため、捜すのに時間がかかる。一方の猫は、長い距離を移動することはなく、半径1km圏内にとどまっていることが多い。

「猫は室内飼いか、そうでないかでも変わってきますが、たいていの場合は近くで見つかるケースが多いんです。ごくまれに、トラックの荷台に飛び乗ってしまい、遠方まで行ってしまうケースもありますが…」

 そんな話を聞いていると、先ほど現場に向かったスタッフから、捜していた猫だったという連絡が入る。遠藤さんの顔から笑みがこぼれた。

◆依頼の7割は電話で

 昼間の業務は、捜索のほか、依頼主に会いに行ったり、情報をもとにMAPを作成したりと慌ただしく過ぎていく。捜索依頼は1日平均5~10件ほどだ。

 新たな電話が入ったのは、深夜0時。こんな夜中にもかかわらず、依頼の電話だ。遠藤さんの会社では、電話とホームページの問い合わせフォームの2通りの依頼方法を設けているが、7割以上は電話での問い合わせだという。

「それも深夜であることが多いんです。皆さん、昼間は仕事などで気を張っていることも多いのですが、夜になると急に不安になって眠れなくなるようです。深夜2~4時の問い合わせなどしょっちゅうです」

 電話に出ると、すぐに詳しい状況を聞いていく。いついなくなったか、どのあたりを自分で捜したか、ツイッターなどのSNSやビラ、ポスターを作って情報を求めているかなど、現状を把握したら、飼い主に今すぐしてほしいことを伝える。

関連キーワード

関連記事

トピックス

熱愛が報じられた長谷川京子
《磨きがかかる胸元》長谷川京子(47)、熱愛報道の“イケメン紳士”は「7歳下の慶應ボーイ」でアパレル会社を経営 タクシー内キスのカレとは破局か
NEWSポストセブン
水原一平受刑者の一連の賭博スキャンダルがアメリカでドラマ化(gettyimages /共同通信社)
《大谷翔平に新たな悩みのタネ》水原一平受刑者を題材とした米ドラマ、法的な問題はないのか 弁護士が解説する“日米の違い”
NEWSポストセブン
広末涼子(時事通信フォト)
《時速180キロで暴走…》広末涼子の“2026年版カレンダー”は実現するのか “気が引けて”一度は制作を断念 最近はグループチャットに頻繁に“降臨”も
NEWSポストセブン
三笠宮妃百合子さまの墓を参拝された天皇皇后両陛下(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《すっごいステキの声も》皇后雅子さま、哀悼のお気持ちがうかがえるお墓参りコーデ 漆黒の宝石「ジェット」でシックに
NEWSポストセブン
前橋市長選挙への立候補を表明する小川晶前市長(時事通信フォト)
〈支援者からのアツい期待に応えるために…〉“ラブホ通い詰め”小川晶氏の前橋市長返り咲きへの“ストーリーづくり”、小川氏が直撃に見せた“印象的な一瞬の表情”
NEWSポストセブン
熱愛が報じられた新木優子と元Hey!Say!JUMPメンバーの中島裕翔
《20歳年上女優との交際中に…》中島裕翔、新木優子との共演直後に“肉食7連泊愛”の過去 その後に変化していた恋愛観
NEWSポストセブン
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
金を稼ぎたい、モテたい、強くなりたい…“関節技の鬼” 藤原組長が語る「個性を磨いた新日本道場の凄み」《長州力が不器用さを個性に変えられたワケ》
NEWSポストセブン
記者会見に臨んだ国分太一(時事通信フォト)
《長期間のビジネスホテル生活》国分太一の“孤独な戦い”を支えていた「妻との通話」「コンビニ徒歩30秒」
NEWSポストセブン
イギリス出身のお騒がせ女性インフルエンサーであるボニー・ブルー(EPA=時事)
《“勝者と寝る”過激ゲームか》カメラ数台、USBメモリ、ジェルも押収…金髪美女インフルエンサー(26)が“性的コンテンツ制作”で逮捕されなかった背景【バリ島から国外追放】
NEWSポストセブン
「鴨猟」と「鴨場接待」に臨まれた天皇皇后両陛下の長女・愛子さま
(2025年12月17日、撮影/JMPA)
《ハプニングに「愛子さまも鴨も可愛い」》愛子さま、親しみのあるチェックとダークブラウンのセットアップで各国大使らをもてなす
NEWSポストセブン
SKY-HIが文書で寄せた回答とは(BMSGの公式HPより)
〈SKY-HIこと日高光啓氏の回答全文〉「猛省しております」未成年女性アイドル(17)を深夜に自宅呼び出し、自身のバースデーライブ前夜にも24時過ぎに来宅促すメッセージ
週刊ポスト
今年2月に直腸がんが見つかり10ヶ月に及ぶ闘病生活を語ったラモス瑠偉氏
《直腸がんステージ3を初告白》ラモス瑠偉が明かす体重20キロ減の壮絶闘病10カ月 “7時間30分”命懸けの大手術…昨年末に起きていた体の異変
NEWSポストセブン