芸能

バラエティーで“女芸人くくり”増加 男芸人よりなぜ有利?

女性人気も高いブルゾンちえみ

 日々、バラエティー番組を賑わせるお笑い芸人たち。最近、その起用に関して、男芸人よりも女芸人が重宝される傾向にあるという。その背景について、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。

 * * *
 12月1日21時から特番『さんま&女芸人お泊り会~人生向上の旅~』(フジテレビ系)が放送されます。同番組は「明石家さんまと17人の女芸人が1泊2日の温泉旅行で存分に遊び、本音を語り合う」というもの。今年5月に放送されたばかりだけに、「早くも第2弾なの?」という驚きの声があがっています。

 17人もの女芸人が仲良く共演する同番組に対して、12月10日に生放送される『女芸人No.1決定戦 THE W』(日テレ系)は火花バチバチのネタバトル。「この世で一番おもしろい女性」の称号と賞金1000万円を賭けた一大コンテストです。

 それ以外では2日に『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が「女芸人のカレンダープロジェクトin中国」を放送。同番組は女芸人たちが体を張る「温泉同好会」を今年だけで9回も放送しました。

 さらに今年放送された番組では、『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)が7月26日に「女芸人12名が大集合!恋も仕事も予測不能の大爆笑SP!」。『金曜ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)が5月18日に「昔は可愛かった? 女芸人アルバム大賞」、4月27日に「新企画 女芸人ドッキリスター大賞」を放送しました。

 また、『潜在能力テスト』『ネプリーグ』『VS嵐』(フジテレビ系)、『踊る!さんま御殿』『人生が変わる1分間の深イイ話』(日本テレビ系)は、数か月に1度のペースで“女芸人くくり”の企画を放送しています。

 トークからコンテスト、旅、クイズまで、あらゆるジャンルで“女芸人くくり”の企画が増えている一方、“男芸人”というくくりはほとんどありません。たとえば、お笑いコンテストの『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『R-1ぐらんぷり』(フジテレビ系)は男女芸人ともに出場可能ですが、女芸人は前述した『THE W』にも出場可能です。明らかに“女芸人くくり”が増えているのはなぜなのでしょうか。

◆視聴者受けと大御所MCとのバランス

 最大の理由は、「視聴者受けがいい」から。知人のバラエティー番組ディレクターは、「今の視聴者は穏やかで安心感のある笑いを好むので、相対的に女芸人の評価が高くなり、キャスティングの数が増える」と言っていました。実際バラエティー出演の多い女芸人には、「何とか売れたい」「爪跡を残すぞ」という男芸人にありがちなギラギラしたところがほとんどありません。

 男芸人ほど上下関係を感じさせず、パワハラやイジメを想起させることがないのも、“女芸人くくり”で大量起用しやすい要因の1つ。女芸人の笑いや奮闘が、「視聴率を左右する女性視聴者の共感を集められる」ことも、男芸人よりフィーチャーされやすいことにつながっています。

 制作サイドによる「大御所の男芸人MCに、後輩の女芸人たちを組み合わせるほうが印象のバランスが取りやすい」という声も少なくありません。たとえば、明石家さんまさんと女芸人軍団、内村光良さんと女芸人軍団、ダウンタウンと女芸人軍団…。「大御所の男芸人MCと男芸人軍団」という組み合わせよりも、映像の印象がやわらかくなることが分かると思います。

 もともと芸人に限らず男性タレントは、よほどのキャラクターかトーク力がなければバラエティーに呼ばれ続けるのは難しいもの。女性タレントのほうが衣食住、恋と結婚、出産と子育てなど、仕事以外のトピックスが多いこともあり、なかでもトーク力のある女芸人が優先されがちなのは当然なのです。

◆くくることで笑いと安心感がアップ

関連記事

トピックス

鳥取県を訪問された佳子さま(2025年9月13日、撮影/JMPA)
佳子さま、鳥取県ご訪問でピンクコーデをご披露 2000円の「七宝焼イヤリング」からうかがえる“お気持ち”
NEWSポストセブン
世界的アスリートを狙った強盗事件が相次いでいる(時事通信フォト)
《イチロー氏も自宅侵入被害、弓子夫人が危機一髪》妻の真美子さんを強盗から守りたい…「自宅で撮った写真」に見える大谷翔平の“徹底的な”SNS危機管理と自宅警備体制
NEWSポストセブン
長崎県へ訪問された天皇ご一家(2025年9月12日、撮影/JMPA)
《長崎ご訪問》雅子さまと愛子さまの“母娘リンクコーデ” パイピングジャケットやペールブルーのセットアップに共通点もおふたりが見せた着こなしの“違い”
NEWSポストセブン
永野芽郁のマネージャーが電撃退社していた
《坂口健太郎との熱愛過去》25歳の永野芽郁が男性の共演者を“お兄ちゃん”と呼んできたリアルな事情
NEWSポストセブン
ウクライナ出身の女性イリーナ・ザルツカさん(23)がナイフで切りつけられて亡くなった(Instagramより)
《監視カメラが捉えた残忍な犯行》「刺された後、手で顔を覆い倒れた」戦火から逃れたウクライナ女性(23)米・無差別刺殺事件、トランプ大統領は「死刑以外の選択肢はない」
NEWSポストセブン
国民に笑いを届け続けた稀代のコント師・志村けんさん(共同通信)
《恋人との密会や空き巣被害も》「売物件」となった志村けんさんの3億円豪邸…高級時計や指輪、トロフィーは無造作に置かれていたのに「金庫にあった大切なモノ」
NEWSポストセブン
愛子さまが佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”とは(時事通信フォト)
《淡いピンクがイメージカラー》「オシャレになった」「洗練されていく」と評判の愛子さま、佳子さまから学ぶ“ファッション哲学”
NEWSポストセブン
年下の新恋人ができたという女優の遠野なぎこ
《部屋のカーテンはそのまま》女優・遠野なぎこさん急死から2カ月、生前愛用していた携帯電話に連絡すると…「ポストに届き続ける郵便物」自宅マンションの現在
NEWSポストセブン
背中にびっしりとタトゥーが施された犬が中国で物議に(FB,REDより)
《犬の背中にびっしりと龍のタトゥー》中国で“タトゥー犬”が大炎上、飼い主は「麻酔なしで彫った」「こいつは痛みを感じないんだよ」と豪語
NEWSポストセブン
(インスタグラムより)
《“1日で100人と寝る”チャレンジで物議》イギリス人インフルエンサー女性(24)の両親が現地メディアで涙の激白「育て方を間違ったんじゃないか」
NEWSポストセブン
藤澤五月さん(時事通信フォト)
《五輪出場消滅したロコ・ソラーレの今後》藤澤五月は「次のことをゆっくり考える」ライフステージが変化…メンバーに突きつけられた4年後への高いハードル
NEWSポストセブン
石橋貴明、現在の様子
《白髪姿の石橋貴明》「元気で、笑っていてくれさえすれば…」沈黙する元妻・鈴木保奈美がSNSに記していた“家族への本心”と“背負う繋がり”
NEWSポストセブン