芸能

月9『SUITS』、2桁視聴率獲得も「満足度は最低」だった理由

『SUITS』に主演した織田裕二

  不振が続いていたフジテレビの看板枠“月9”が息を吹き返した。昨年10月期の篠原涼子主演『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?〜』から3期連続で平均視聴率一桁だったのだが、今年7月期の沢村一樹主演『絶対零度〜未然犯罪潜入捜査〜』と先日最終回を迎えた織田裕二主演の『SUITS/スーツ』の平均がそれぞれ10.6%、10.8%と2クール連続で二桁視聴率を獲得した。振り返ると“月9”での2クール連続二桁視聴率獲得は、2015年10月期の石原さとみ主演『5→9〜私に恋したお坊さん〜』以来3年ぶりで、ようやく不調だった流れを食い止めた形だ。だが、視聴者の“満足度”という点で見ると少し様子が変わってくる。

◇『SUITS/スーツ』満足度はクールワースト…その要因

 テレビの視聴状況を独自に調査している「テレビ視聴しつ」によると、『SUITS/スーツ』の満足度(10月、11月の2か月平均)は、10月スタートのゴールデン&プライム帯ドラマ15作品中ワーストの3.62(最高評価は5.0)。しかも回を追うごとにファン視聴者は増える傾向にあるため満足度は上がっていく作品が多い中、10月から11月にかけて3.65から3.59と数値を落としており、好調だった視聴率とは違った結果となった。(※10月から11月で満足度を下げたのは、『相棒』『リーガルV』『科捜研の女』と合わせて4作品のみ)

 その満足度を下げた要因の1つが“10代の評価”だ。視聴層別に満足度を見ると10代からの評価は3.81とワーストで、同位でワースト2位だった『獣になれない私たち』と『中学聖日記』の3.99と比べてもその差は大きい。10代トップだった『今日から俺は‼』の4.57(10代の90%が満足度4以上)という高数値からもわかるように10代は評価を高くつける傾向にある。そのため『SUITS/スーツ』に対する10代の評価はかなり厳しかったと言っていいだろう。

 ではどのような厳しい評価があったのだろうか。10代視聴者の感想を見ると、

「真面目な話だったので見るのが面倒」(16歳女性)
「内容があまり入ってきにくい」(19歳女性)
「テンポが悪い」(19歳女性)
「かっこつけすぎ」(18歳男性)」

 など、内容の難しさや演出への指摘が多かった。このドラマの特徴は、原作のアメリカ版を踏襲したスタイリッシュな映像と大人たちのウィットに富んだ会話劇で、その中で通常のドラマであれば2話~3話かけて解決するような複雑な案件も大げさに煽らずスマートに解決していくという日本のドラマにはなかったテイスト。だがそのことが10代の視聴者にとっては難解さやテンポの悪さにつながり、嫌みに感じてしまったようだ。

 またこんな意見もあった。

「若い世代としては、昔流行ったドラマのコンビだろうと知らないわけだから面白くない。月9がどんどん変に視聴率をとりにいっていて、すごく残念」(18歳女性)

 織田裕二と鈴木保奈美の共演が『東京ラブストーリー』以来という大々的な触れ込みは、それらを見ていた世代には刺さるPRで視聴率に貢献した部分もあっただろう。だが、それを知らない世代にとっては世代間の隔たりを感じてしまい素直に楽しめなかった視聴者もいたようだ。

◇10代でも“月9”というブランドイメージ?

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン