芸能

樹木希林 脳梗塞で闘病生活を送っていた西城秀樹への気遣い

闘病中の秀樹さんへ樹木流“気遣い”

 奇しくも同じ2018年に亡くなった西城秀樹(享年63)と樹木希林(享年75)。ふたりは、1974年放送開始のホームドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)での共演をきっかけに、長年にわたって交流を深めていた。

 この度『蒼い空へ 夫・西城秀樹との18年間』(小学館)を上梓した妻・美紀さんと2001年に46才で結婚した秀樹。その結婚式でも、樹木との間には、ふたりならではのエピソードがあった。

「西城さんは、新高輪プリンスホテル(東京)の大広間に約700人を招待して行った豪華披露宴に、希林さんも招待したそうですが、『私は人が多いところには行きたくないの』とアッサリ断わったそうです」(芸能関係者)

 結婚式は、2000年以上の歴史を持つ白浜神社(静岡県下田市)で行われた。両家の親族24人が集まった中に、芸能界から唯一、参列したのが樹木だった。

「希林さんは、結婚の2年前に亡くなった西城さんの父親の話をしながら、“お父さんにも見せたかったね”と、西城さんとふたりで涙を流したそうです」(前出・芸能関係者)

 秀樹が2001年に脳梗塞に倒れ、闘病生活を送るようになってからも、樹木流の“気遣い”は続いた。秀樹の病院に見舞うことは、一切しなかったという。

「秀樹さんが復活してコンサートを再開すると、地方であってもひょっこりと顔を見せるんです。事前に一言、声をかければ秀樹さんが席を用意したでしょうけど、希林さんは自分でチケットを買って、観客席に座っている。公演後に楽屋に寄って、『元気そうね。じゃあ行くね』とだけ言って、すぐに帰って行くんです」(美紀さん)

 顔を合わせても病気の話は一切出さず、「子供の写真を見せて」など明るい話だけに終始したという。美紀さんが続ける。

「秀樹さんが倒れてから、希林さんから何度かお電話をいただきました。『秀樹はどう?』『あんたたち家族は、ちゃんと食えてるの?』と、素っ気ないけれど、希林さんらしい独特の言葉で励ましてくださっていました。今思えば、希林さんご自身も大変な状況だったはずなのに…」

 2018年5月16日、秀樹は家族に見守られて他界した。樹木は秀樹の訃報を聞いた翌日、こう語った。

「自分もそうですけど、私は人の死に対して残念とか思わないタイプなんです。みんないずれ、というふうに思っているから。でも、昨日は堪えました」

 告別式での弔辞を求められたものの、地方での仕事を理由に丁重に断ったという。

「希林さんは、『子供たちは大丈夫かしら。ふさぎ込んでない?』と、ご家族のことをとても心配していました」(前出・芸能関係者)

 樹木も9月15日、“弟”を追うように、この世を去った。ふたりの訃報を『寺内貫太郎一家』で共演した小林亜星が振り返る。

「もう残念でね。『寺内貫太郎一家』で残されているのは、浅田美代子さんと梶芽衣子さんと私だけになっちゃった。寂しい限りです」

 もうあの“姉弟”の姿を見ることはできない。だが、かれらの名演、絶唱は人々の胸に刻まれ、永遠に生き続ける。ふたりは空の上で、どんな話をしているのだろうか。

※女性セブン2019年1月3・10日号

関連記事

トピックス

11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(右/読者提供)
【足立区11人死傷】「ドーンという音で3メートル吹き飛んだ」“ブレーキ痕なき事故”の生々しい目撃談、28歳被害女性は「とても、とても親切な人だった」と同居人語る
NEWSポストセブン
愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
グラビア界の「きれいなお姉さん」として確固たる地位を固めた斉藤里奈
「グラビアに抵抗あり」でも初挑戦で「現場の熱量に驚愕」 元ミスマガ・斉藤里奈が努力でつかんだ「声のお仕事」
NEWSポストセブン
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
日本体育大学は2026年正月2日・3日に78年連続78回目の箱根駅伝を走る(写真は2025年正月の復路ゴール。撮影/黒石あみ<小学館>)
箱根駅伝「78年連続」本戦出場を決めた日体大の“黄金期”を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈1〉「ちくしょう」と思った8区の区間記録は15年間破られなかった
週刊ポスト
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン