──プロ野球の世界で活躍する選手を多数輩出されています。どんなことを心掛けて指導していますか?
西谷監督:プロ野球の世界で活躍しているのは、本人たちの努力の証です。私としては、常日頃から高校野球で終わる選手になって欲しくないと思っています。生徒たちには、「高校野球は、『やきゅう』で言ったら『や』であり、その先には、『きゅう』と続いていく。」と言っています。小学校や中学校で良い指導者に巡り合うことが出来たからこそ、人々が注目する高校野球の世界に踏み入れることが出来ます。大阪桐蔭を卒業しても、大学や社会人に進めば、野球はまだまだ奥が深いことを伝えています。甲子園で高校野球には一区切りですが、上の舞台を目指して、頑張って欲しいと話しています。
【PROFILE】
◯西谷浩一(にしたに・こういち)/1969年9月12日、兵庫県出身。現役時代は捕手で報徳学園高から関西大。卒業後は大阪桐蔭高コーチを経て1998年秋に同高監督に就任し、一度コーチに退いた後、2004年から再び監督として指揮を執る。甲子園春夏の通算成績は16回の出場で、55勝9敗。昨夏の甲子園で春夏通算7度目の全国制覇で歴代最多優勝監督となり、史上初の2度目の春夏連覇も達成した。教え子に中村剛也(埼玉西武ライオンズ)、中田翔(北海道日本ハムファイターズ)、藤浪晋太郎(阪神タイガース)などを輩出し、昨年は根尾昴(中日ドラゴンズ)や藤原恭大(千葉ロッテマリーンズ)など4人のプロ野球選手を誕生させた。社会科教論。
◯古内義明(ふるうち・よしあき)/1968年7月7日生まれ。立教大学法学部卒、同時に体育会野球部出身。高校・大学球児向け「サムライベースボール」発行人として、これまで数百校の高校を取材し、アマチュア関係者と独自の人脈を構築。近著に、『4千分の1の名将 新・高校野球学【関西編】』(大和書房)がある。(株)マスターズスポーツマネジメント代表取締役、テレビやラジオで高校野球からメジャーリーグまで多角的に分析する情報発信。立教大学では、「スポーツビジネス論~メジャーの1兆円ビジネス」の教鞭を執る。