スポーツ

日本相撲協会と横審は稀勢の里を身勝手・露骨に延命させた

会見では涙も見せた(共同通信社)

「土俵人生において一片の悔いもございません」──会見で絞り出したその言葉は、横綱・稀勢の里の真意だったのだろうか。常に周囲の打算や思惑に翻弄され続けた日々だった。2017年1月、日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会は、わずか15分の審議で、稀勢の里の横綱昇進を決めた。

「重圧に弱く、横綱に勝ちながら、平幕相手に油断する癖がある」

 そう認識されていた稀勢の里は、「過去2場所の連続優勝」という条件は満たしておらず、「それに準ずる成績」として昇進した。

「協会は是が非でも日本人横綱が欲しかった。そのために横審に対して、稀勢の里の直近6場所の成績を、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜の昇進前6場所の資料と合わせて提示するという“特別扱い”で後押ししました」(協会関係者)

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「過去1年の成績を見て、安定感が一目瞭然で、委員の皆さんも驚いていた」と露骨に喜ぶコメントまでしている。

 昇進の基準が甘すぎるという声はあった。しかし、協会にとっては雑音でしかなかっただろう。稀勢の里が新横綱として臨んだ2017年3月場所は、前売りチケットがわずか2時間半で完売し、かつての「若貴フィーバー」に匹敵する相撲ブームが到来した。

「特別扱いして横綱に押し上げた協会ですら、ここまでの盛り上がりは予想していなかった。異常なほどの過熱ぶりに、今度は1日でも長く稀勢の里に横綱でいてもらえるよう動き始めた。不甲斐ない取組で、通常なら進退伺いとなる状況でも擁護。露骨な延命が見られるようになった」(同前)

関連記事

トピックス

鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン