このため、大規模な高速鉄道建設により、中国鉄路総公司の債務は2005年の4768億元(約7兆7000億円)から、2016年には4兆7200億元(約76兆4000億円)とほぼ10倍にも激増し、さらに増え続け、冒頭に記した約85兆円5000億円になっている。
趙教授は「これまでの高速鉄道が稼いだ輸送収益では、中国政府からの建設融資の利息すら返せない状況」と分析しており、中国鉄路総公司はまさに「ゾンビ企業」と化している。
習近平国家主席は昨年12月末、今年の重要な経済計画を協議する中央経済工作会議で、「(赤字)企業の自然淘汰を着実に推進し、『ゾンビ企業』の処理を加速する」と宣言したが、中国の鉄道網を管理・建設する同総公司をつぶすわけにはいかず、趙教授は「莫大な高速鉄道債務は、国家に金融リスクをもたらしている」と批判的だ。