社会の流れが、福島はもう安全だという方向へ大きく誘導されたとき、国家の中心のなかで、ただ一人断固として「まだ問題は終わっていない」というメッセージを発し続けられたのです。
沖縄と福島は、基地や原発といった国家の抱える矛盾が露呈した地です。
そうしたなか、明仁天皇は「政治的発言」と取られないようなギリギリの範囲で、慎重に言葉とタイミングを選びながら、みずからの重心を政府とは違う場所に移して発言することで、国家や社会のバランスをとろうとされてきたのです。
※週刊ポスト2019年3月15日号
社会の流れが、福島はもう安全だという方向へ大きく誘導されたとき、国家の中心のなかで、ただ一人断固として「まだ問題は終わっていない」というメッセージを発し続けられたのです。
沖縄と福島は、基地や原発といった国家の抱える矛盾が露呈した地です。
そうしたなか、明仁天皇は「政治的発言」と取られないようなギリギリの範囲で、慎重に言葉とタイミングを選びながら、みずからの重心を政府とは違う場所に移して発言することで、国家や社会のバランスをとろうとされてきたのです。
※週刊ポスト2019年3月15日号