芸能

YouTuber中田敦彦 知性をおすそ分けする凄みについて

YouTuberになったオリラジ中田敦彦(イラスト/ヨシムラヒロム)

YouTuberになったオリラジ中田敦彦(イラスト/ヨシムラヒロム)

 人気のYouTuberをジャンルわけすると、創作物を披露する発表系、「やってみた」「歌ってみた」「踊ってみた」などのチャレンジ系などがある。そして、派手さはないが確実にニーズが高いのが教育系だ。塾講師などその教科の専門家が提供することが多かった教育系動画に、最近、芸人であるオリエンタルラジオの中田敦彦が加わり、注目を集めている。イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏が、『中田敦彦のYouTube大学』がもつ特異性について考えた。

 * * *
 梶原雄太(キングコング)がYouTuberとしてそれなりの成功を収めて以降、追随するように多くの芸能人がYouTubeに参戦している。そのなかでも人気を集めているのが中田敦彦(オリエンタルラジオ)。2019年5月分の登録者増加数ランキングでは1位を獲得、今最も勢いのあるYouTuberとなった。

 タレントがYouTubeに参戦する際のメリットは多い。1本目の動画から視聴者がいる、ネットニュースで記事化など書き出せばキリがない。ただ、最も大きなメリットは自身のキャラクターを既に認知されている点である。

 女性モデルなら“メイク術”、ママタレントなら“生活の知恵”、どんな動画が配信されるのか視聴者が想像できる。タレントはニーズに合わせた動画を配信すればいいので、需要と供給が早めにマッチ。自身にキャラクターをつけようと四苦八苦している無名YouTuberを観たことがあれば分かるハズ。YouTuberとは動画の内容以上にキャラクター性が求められる商いである。

 中田敦彦の話に戻そう。

 視聴者の需要に応えるタレント中田、動画でも慶応大学出身のインテリキャラクターを打ち出す。チャンネル名は『中田敦彦のYouTube大学』、やることが明確なのだ。

 処女作の動画タイトルは「緊張せずに人前でプレゼンをするためのメンタルコントロール」。『しくじり先生』『やりすぎ都市伝説』で披露された中田のプレゼン能力。その秘訣を紹介する内容である。話し方、滑舌、ロジックと「やっぱりプロだなぁ~」と唸ってしまう内容。しかし、それ以上に感心したのが“顔”。

 イケメン芸人と呼ばれることは少ない中田だが兎に角“顔”がキレイ。他の男性YouTuberと比べて清潔感が段違い。長年、多くの人の視線に晒されてきただけにメディアに出る人の造形となっている。個人的に“顔”に気づけたことは発見だった。

『中田敦彦のYouTube大学』は国語、歴史、科学、音楽、美術といった科目別に動画を配信。当初は国語「難読漢字BEST3」、歴史「中国王朝の覚え方」、科学「相対性理論を一言で説明」、音楽「サカナクションの好きな曲BEST3」、美術「天才ピカソを徹底解説」と科目をバランスよく公開。全ての動画は10分前後に収まっていた。

 しかし、27本目の歴史「キリスト教のカトリックとプロテスタントとは?」の動画が51万再生と大ヒット。視聴者の需要が歴史にあると気づいた中田は歴史動画に傾倒していく。現在ではヨーロッパ史、中国史、インド史と人類の過去を日々、中田流に紐解き続けている。

関連記事

トピックス

競泳コメンテーターとして活躍する岩崎恭子
《五輪の競泳中継から消えた元金メダリスト》岩崎恭子“金髪カツラ”不倫報道でNHKでの仕事が激減も見えてきた「復活の兆し」
NEWSポストセブン
米・フロリダ州で元看護師の女による血の繋がっていない息子に対する性的虐待事件が起きた(Facebookより)
「15歳の連れ子」を誘惑して性交した米国の元看護師の女の犯行 「ホラー映画を見ながら大麻成分を吸引して…」夫が帰宅時に見た最悪の光景とは《フルメイク&黒タートルで出廷》
NEWSポストセブン
メーカーではなく地域の販売会社幹部からの指令だった(写真提供/イメージマート)
《上司命令でSNSへ動画投稿》部下たちから上がる”悲鳴” 住宅販売会社では社長の意向で「ビキニで物件紹介」させられた女性社員も
NEWSポストセブン
自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
香川県を訪問された紀子さまと佳子さま(2025年10月2日、撮影/JMPA)
佳子さまが着用した「涼しげな夏振袖」に込められた「母娘、姉妹の絆」 紀子さま、眞子さんのお印が描かれていた
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《マトリが捜査》米倉涼子に“違法薬物ガサ入れ”報道 かつて体調不良時にはSNSに「ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい」…米倉の身に起きていた“異変”
NEWSポストセブン
きしたかの・高野正成(高野のXより)
《オファー続々》『水ダウ』“ほぼレギュラー“きしたかの・高野 「怒っているけど、実はいい人」で突出した業界人気を獲得 
NEWSポストセブン
迎賓施設「松下真々庵」を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月9日、撮影/JMPA)
《京都ご訪問で注目》佳子さま、身につけた“西陣織バレッタ”は売り切れに クラシカルな赤いワンピースで魅せた“和洋折衷スタイル”
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子に“麻薬取締部ガサ入れ”報道》半同棲していた恋人・アルゼンチン人ダンサーは海外に…“諸事情により帰国が延期” 米倉の仕事キャンセル事情の背景を知りうるキーマン
NEWSポストセブン
イギリス人女性2人のスーツケースから合計35kg以上の大麻が見つかり逮捕された(バニスター被告のInstagramより)
《金髪美女コンビがNYからイギリスに大麻35kg密輸》有罪判決後も会員制サイトで過激コンテンツを販売し大炎上、被告らは「私たちの友情は揺るがないわ」
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
「なんでこれにしたの?」秋篠宮家・佳子さまの“クッキリ服”にネット上で“心配する声”が強まる【国スポで滋賀県ご訪問】
NEWSポストセブン
"殺人グマ”による惨劇が起こってしまった(時事通信フォト)
「頭皮が食われ、頭蓋骨が露出した状態」「遺体のそばで『ウウー』と唸り声」殺人グマが起こした”バラバラ遺体“の惨劇、行政は「”特異な個体”の可能性も視野」《岩手県北上市》
NEWSポストセブン